インドネシア 急性腎障害 子どもなど133人死亡 薬から有害物質
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急性腎障害は、文字通り急性の経過で腎臓の機能が悪化する疾患です。腎臓は体の中の老廃物を排泄し、電解質や酸・塩基平衡をコントロールする重要な臓器であり、急性腎障害により死に至ることもあります。急性腎障害の原因は様々ですが、インドネシアの小児の死亡に関して現時点ではエチレングリコールという物質の関与が疑われています。
エチレングリコールは車の不凍液などに使用される物質で、誤って内服すると体内の酸塩基平衡が酸性に傾くアシドーシスを引き起こして致死的になったり、急性腎障害をきたした緊急の透析が必要になったりします。子供は薬をなかなか飲んでくれないのでシロップの形状になっている薬剤が多いのですが、インドネシア国内で製造されたシロップからエチレングリコールが検出されるという恐ろしい状況になっています。一刻も早い原因の究明が待たれます。エチレングレコール入り子ども用シロップ製剤による死亡は、製薬大国インドの製品で、これまでも広く見られる問題でした。
低価格のインド製ジェネリック薬品は世界各地に輸出され、ガンビアなどでも死者が出ています。
Cough syrup deaths: Why drugs made in India are sparking safety concerns
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-63226055
ただ、インドネシア政府の医薬品・食品監督庁が今回リコール指定した5つのシロップ製剤は、2つがインドネシア製、3つはエジプト製ですね。
https://www.pom.go.id/new/view/more/klarifikasi/158/INFORMASI-KEEMPAT-HASIL-PENGAWASAN-BPOM-TERHADAP-SIRUP-OBAT-YANG-DIDUGA-MENGANDUNG-CEMARAN-ETILEN-GLIKOL--EG--DAN-DIETILEN-GLIKOL--DEG-.html
(今日になって、102種類のシロップ製剤が禁止されたので、もうどこでつくられたものなのか、追いきれませんが)
インドネシアで入手した小児用シロップ製剤の使用(注意喚起)
「● インドネシアの薬局で購入した小児用シロップ製剤については、当面使用しないことをお勧めいたします。また、インドネシアの医療機関で処方された小児用シロップ製剤については、引き続き使用して問題ないか当該医療機関に確認することをお勧めいたします。
在インドネシア日本国大使館
1.インドネシア保健省の発表によれば、2022年8月から9月にインドネシアにおいて、原因不明の小児の腎不全の症例が急激に増加し、現在まで22州から206名が発症しており、その大多数は乳幼児とのことです。また、この206名のうち99名が死亡したとのことです。」
https://www.id.emb-japan.go.jp/oshirase22_131.html薬害?
臨床試験を経て認可されたとしたら政府の責任。
製造工程上の問題ならメーカーの責任。本来なら薬に使われないと思われる物質が検出されたのでこちらの可能性は高いと思う。
いずれにしても早く原因究明し、製品の回収もしないと被害者は増えそう。