VCと銀行に同じ事業計画書を出してはいけない理由
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前提として、この記事にもありますが、両者はお金を企業に払い出す仕組みが違います。VCはエクイティファイナンス、銀行はデットファイナンスで片方は成長性、もう片方は返済に向けた信用性でお金を貸しているため、全く見せる事業計画は違います。VCに着実性の高さだけを証明しても、マーケット規模やその将来性、事業の拡大の方向性を示せなければ、グロースが見込めないと思われて投資をしてもらえません。VCが経営メンバーのバックグラウンドを気にするのも、今ではなく将来の成長性に投資するからこそ、このメンバーで本当にあと3年、5年その絵を描けるのか、を見られているからです。一方で銀行は着実にお金を限られた期間で返済できるのか、その返済能力を見られます。資金繰りに問題はないか、すぐに利益が見込める事業はあるか、多額の投資をする予定はないか、といった事を見られるわけです。将来性より目先の着実性を判断されます。ですからしっかりとした3ヵ年計画と、今の資金繰りの状況、今の売上が続く、もしくは着実に売上が上がる見通しが必要になります。VCで何億も投資された会社が、銀行からは1000万程度しか借りれないのは見ている視点が違うからです。
しかしこの違いをよく理解していれば、両方のメリットを活かして資金調達が可能になりますし、逆に無理にエクイティをしなくても、デットだけで資金調達が可能なこともあります。
自社の現状を踏まえて適切な調達手段を選んで欲しいです。投資家も当たらない計画を出されて、当たらなければ次回のフォロー投資に悪影響です。達成に自信のある計画について、どこまでストレッチできるかを徹底議論して、一つの計画の達成にコミットした方が良い結果になるように思います。
計画は保守的に、実行は楽観的に。
その姿勢と経過をを債権者も株主も見てます。
なお、そもそも債権者は、株よりも弁済の優先順位高いということもあります。社内新規事業での事業計画に関しても…本質的には「魅力的な投資するレベルの事業計画か」というところだとおもいますが…
そもそも「えいや!」の事業計画には誰も投資をしないと思うので、その数値に意味を持たせているのかというところがポイントかと思います。
「本当にその数値が実行できるのか?」ということと「魅力的か?」ということの鬩ぎ合いでもあると思うので、仮説検証が大変重要ですよね…。
(様々な会社でえいや!の事業計画が横行しているのを見るので、ここをなんとか変えていきたいところです…)