女性がぶつかるキャリアの壁。その背景にあるジェンダーギャップはどう解消する?
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日本のジェンダーギャップ指数が上がらない1番の理由は、意思決定層における女性の少なさ。要するに管理職や役員などのポジションの女性の比率が低いことが世界と比較したときの日本における女性活躍の課題です。ここには様々な理由があると思っています。
例えば日本は育休制度が諸外国に比べて整っているがゆえに、子育てに一度入ってしまうと1年〜2年は完全に仕事から離れてしまうことが多いこと。また、まだまだ子育てのメインが母親であることで、どうしても時短勤務を女性が続けなければならない。その結果、30代の管理職候補の女性が子育てに入ると、体感値として5年から、2人目の出産なども重なると、長いと10年近く、仕事にフルコミットできない期間があるわけです。そうなると同世代の男性と比べるて、当然経験に差が出てしまい、出世ルートから外れてしまう。そうなった時にと 評価する基準が今はない、というのが一つ大きな課題だと感じています。しかし子育てはマネジメント経験が増えたり、効率的な仕事の仕方を学べる絶好ののチャンスです。その期間は決して仕事に生かせないわけではありません。しかしここでも、現状ではそのことに女性自身も気付けない結果、実力不足でとても管理職などなれない、と自信を失う結果になっています。
評価制度を変えたり、子育てを支援する仕組みが必要だったり、男性も時短を当たり前にするなど、あらゆる角度から変化がは必要なタイミングではありますが、どうすれば解決できるのか、という視点で企業が努力し続けることがまずは今求められているのかもしれません。アンコンシャスバイアスはそもそも、無意識にうまれてしまうものだから、バイアスがそもそもあるのだということをそれぞれの属性で認識することからなのだと思います。こういうアンコンシャスバイアスがあるよねと、よくワークショップの場などで行いますが、見える化されることで、バイアスがあるなら、それをどのように変えて行くかをディスカッションすることで、色々な気づきを得ます。
ジェンダーギャップをなくそうなくそうとする動きは、これまでもやってきていると思うのですが、それでも順位でみても、まだまだ進歩が少ない現状を考えると、なくすことよりも、書かれているように今までが当たり前だと思われているものを、常識を疑う、当たり前を覆すことが必要なのだと思います。白河さんの「特権を持っている人は気づかないけれど、違和感があって、子どもの世代によりよい社会にしたいのであれば、流れに抗っていかないといけない。何もしなければ変わらないままですから。」という言葉に共感します。
この記事を読んで思い出した最近の話です。
「優秀なら、男性でも女性でもいいから来てほしいんだけどね。」
ある企業の男性役員がこう嘆いていました。
そう言いながら、その企業の執行役員以上はすべて男性で構成されています。
社内では幹部にしたい「優秀な」女性社員はほとんど見当たらず、外部から採用する「優秀な」幹部候補は、結局、男性ばかりなんだとか。
それを聞いて、私ははたと考えました。彼の考える「優秀」って何だろう?
この「優秀さ」という言葉に違和感を感じたのです。
この企業の幹部層のように同質で居心地のよい集団が「優秀だ」と評価する人材基準にバイアスはないのでしょうか?
自分たちの基準に拘泥することが実は組織の脆弱さなんだと、この方には気づいてもらいたいと思いました。