「考えが浅い」と悩む人が今すぐ読むべき、“思考トレーニング”究極の1冊
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最近この手の書籍紹介記事を見掛けると、どの過去の本に似ているか?を思うようになりました。何故ならビジネス書がそうでありつつあるように、この手の本も読者に消費されるように「分かりやすく」編集されていて、それが読者層を反映していると考えることで時代観を感じ取れると思うからです。
そしてこの本に似ている(未読ですが)と思ったのが、入不二基義「相対主義の極北」。実在論と同様、相対主義(Relativism)は大事な世界認識でありながら、単に何でも有りの詭弁に堕してしまっているようです。分かりやすく対話形式にしたということですが、結局プラグマティックかどうかがこの本の価値のようです。
丁度「相対主義の極北」の解説に野矢茂樹が分かりやすくする2つの方法を示してます。1つは具体的な場面に着地させること、もう1つは議論を図式化すること。図式化は可視化と捉えて概ね間違いでは無いと思いますが、誰にとっての可視化かは読者を選ぶので、後者の手法を取る書籍は不人気です。
「考えが浅い」と悩む人が”今”すぐ読むべきというタイトルをわざと付けていた頃なら良いですが、粗製乱造させて大量消費させるベストセラー戦略はもう少しサステナブルにならないものか。私にとっては入不二を久しぶりに手に取ったので、チャンスオペレーションとしてこの記事は役に立ちました。現代では「速度」が求められることは多いですが、あえて遅くすべき所もあると思います。思考の成長も今回の記事をみて改めてそうだなと思いました。