「大富豪にはならない」。パタゴニア創業者、巨額寄付の真実
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分かりにくい記事ですが、要は(1)NGOへの寄付は税金がかからない(2)つまり、NGOへの寄付を法律で奨励している(3)ただし、パタゴニアの場合その寄付は全て議決権のない株ということでしょうか。ちなみに(3)の議決権株の話はシリコンバレーなど普通なのに日本のガバナンスの記事ではほとんど触れられないのがとても不思議です。
個人的には、非上場だから問題ないと思う。
本件は①相続税、②支配権、という2つの論点がある。
相続税は、上場か非上場関係ない話で、NGOへの寄付であれば課税されないという汎用的な条項に該当する。その是非の根本の議論ではないし、政府でも企業でもない主体が社会に対して働きかけをするような多様な構造(とそのために必要な資金を循環させる構造)は、個人的にはどの国であっても一定必要だと思っている。
支配権については、非上場ではないから問題ないというスタンス。ステークホルダーが限定的であり、今後そのステークホルダー(団体や従業員、顧客)で対立が起これば、その間で解消したり雇用・商品市場で調整される。
むしろ、上場企業でそのような構造が発生していることのが、個人的には課題意識が強い。それはステークホルダーが多いから。特に元々種類株構造を持っている場合に、創業者世代から継承していくときにどうなっていくか。その継承は相続・退任だけでなく、経営結果が出ない時にも論点となる。
相続・退任という論点はAlphabet(Google)が該当。もう経営自体から創業世代はかなり離れている。上場時にそういう構造だったので、投資家はそのリスク・リターンを加味して投資しているというのは分かる。一方で創業者による種類株による意思決定権の掌握は、トップダウンの判断が求められる成長期の四半期・数年単位のノイズへの対応には効くが、それを超えたあとにどこまで認めるべきかは、上場から20年近くが経ち、またその支配が上手くいかなかったUber(これは非上場時ではあるが)などもあるので、今後10-20年単位で議論・整備がされていくのではないかと思っている。
VW・Porscheは、数世代にわたってピエヒ家・ポルシェ家が決定権を上場企業にも関わらず握っている。州政府や労組も議決権を有し、あとはドイツの場合は監査役会の権限が強かったと思う。そういった形で一定の牽制が効く構造にはなっているが、CEOの交代など、両家の影響が強すぎると個人的には思っている。