【読書】悩みのモヤモヤを解消する「因数分解思考」
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課題把握や思考精度を上げるためにはとても重要なアプローチ。
コンサルティング会社ではこのような課題分析トレーニングが日々の業務や会話で行われる。
一方で、「本質的」な課題把握や解決策を導き出したり、抽出するアプローチはやや異なる。
因数分解された課題の内、「どの課題を解決するとすべて(多くの)課題が解決されるのか?」という思考を持って、解決すべき課題を極限まで絞り込んで手を打つ必要がある。
なぜならば、時間は有限であり、解決策を実行する時間には制約があるからだ。
そのためにも、因数分解的に悩みや課題を分解していきながらも、その悩みや課題の真因を掘り下げる思考が必要だ。
トヨタの「なぜ5回」は有名だが、なぜを5回掘り下げたあたりに真因が見つかるケースは多い。
課題解決に向けた思考プロセスは、因数分解的に「細かくする」ことに加え、他にはないか?という思考で「広げる」こと、それはなぜか?を繰り返す「掘り下げる」こと、的を絞るために「集約する」こと、が大事。そして、いくら思考をしても、実行しなければ悩みや課題は解決しないため、解決に向けては実行力が何よりも大事。思考は実行の精度や効率を上げるための武器であることを忘れてはいけない。何らかの目標が示されたときに、「できそうにない理由」ばかりが頭に浮かぶ人にこそ因数分解思考をお勧めしたいです。
フワッとした目標はフワッとしたままでは、なかなか達成できません。例えて言うならば、山に登ろうにも、どこから登ったら良いのか、どんな装備が必要なのかが見えていないからです。それをDoableにするためにも因数分解は有効です。
目指す地点と現状との差(ギャップ)を明確にし、それを埋めるために必要なファクターを炙り出し、そのファクターを潰していくための具体的なアクション(Doable/actionableな単位)に落とし込み、タイムラインを引けば、達成が困難と思われた目標も意外とそうではないと言うことに気がつきます。
その一方で、因数分解だけでは解決し得ないケースもあって、その場合には、目標の再設定ないしは追加的なリソースの獲得等、軌道修正が必要になる場合もありますが、それを把握するためにも因数分解思考は役立ちます。
誰に教わるともなしに、学生時代から物事を因数分解して考える癖がありましたが、様々な局面でその思考パターンが役に立ったと感じています。ピタゴラスは有理数をベースにピタゴラス教団という宗教団体を運営していたそうです。自然界の出来事は有理数(数学)で解決できると。
しかし、無理数を見つけた弟子のヒッパソスを自分の思想に合わないと処刑してしまったという恐ろしい面を持っています。世界には有理数だけでなく、無理数もあるのです。
悩みは因数分解で解決できるのでしょうか。むずかしい問題です。やさしい言葉をかけられただけで、吹っ飛ぶ悩みもあります。