「円安で業績悪化」8割 卸売りなど打撃 企業1700社アンケ
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企業数でみるとそうかもしれませんが、税収は円安の方が増えます。
そもそも円安で業績悪化するような企業は赤字で税金払ってない企業の方が多く、円安で恩恵受けるグローバル企業からの税収増えますから。円安で財輸出が吹くというのは古い話です。それにサービス輸出の主力たるインバウンド観光も、全くもって円安を活かせていません。
少なくとも今の局面での円安は、マクロ的に見て、デメリットが勝ることは明らかです。インフレ率の低い日本の円は、高くなるのが本来の姿です。1ドル100円のとき、アメリカで100円、日本で1ドルのハンガーが―が、物価の安定している日本で100円のままインフレのアメリカで2ドルになったら、1ドルが50円になってはじめて100円でアメリカのハンバーガーが1個買えるのですから。ところが逆に大幅に円安になっていますから、円の購買力は大きく毀損されているわけです。
日銀による円の毀損策への期待が高まる前の2012年からこれまでに、アメリカの物価は約3割上がっています。日本は8%程度ですから、ここで2割ちょっとの差があります。更に円はドルに対して4割安くなっていますから、荒っぽく見て円の購買力は6割落ちた勘定です。かつて100万円で買えた商品が今なら160万円する勘定ですから堪りません。対ドルほどでは無いにせよ、ユーロに対しても似た現象が起きています。
円安になるというのは日本が生み出す労働力をはじめあらゆるものが安売りされるということで、短期的には国際競争力が高まって景気が良くなったように見えますが、中長期的に国力が削がれるのは避けようがありません。その短期的なところでも、最近の交易条件と貿易収支の悪化を見ると、さしたるメリットは無さそうです。
通貨の強さは国の経済の強さと中長期的に同義です。通貨安に頼って本来的な競争力の向上を果たさずビジネス環境の改善もなされなかった日本の企業が、競争力の弱さゆえ生産コストの上昇を売値に転嫁できなくなった今、円安の中で業績を落としていくのは避け難いところかと思います。円でみればまだしもですが、世界で見ると、円が安くなった分だけ更に業績が悪くなっているわけですからね・・・ 中長期的に見れば、良い円安なんてそもそも無いのです、たぶん (・・;