創業期に陥る落とし穴 ~後戻りできない資本政策~
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資本政策は非常に重要なテーマですが、毎年必ずあるイベントでもありません。一方で後戻りできないことなどから「いつCFOを迎えるべきか」もまたよく見かける質問のひとつです。また、どの段階でどの程度の希薄化でどれだけの金額を調達すべきかという難しい問題があり、これについてはこうしたメディアでも語られることが少ないのです。
正直、シリーズAからCFOがいるとは思いません。エンジェル投資家にひとりでもファイナンスを分かっている人を入れておけば、そこからはアドバイスを受けつつ、どういうタイミングでどれだけの希薄化を許容するべきかを相談するとよいと思います。一度株主になった人を追い出す事はかなり難易度高いです。お金は大事ではありますが、信頼できる相手かは何よりも大切にする事が重要です。信頼できない人が内輪に入ってしまった時ほどの悲劇はありません。(これは社員を雇う時にも言えますね)
加えて高すぎる株価設定は、次回以降の調達に悪影響になりますし、安すぎても株式持分を外部に持たれすぎるので良くありません。常に適切な自社のバリュエーションを客観的に捉える事は大切です。
バリュエーションの際にWACC10%程度で計算した株式算定書を見かけますが、ベンチャー企業のリスクリターンでWACCがそんな低いはずありませんから、本気でそんな計算を信じる人はいないと思います。
ですから自分なりのマーケット感と計算論理で、自社の適切なバリュエーションは見定め、多くの投資家に信じてもらう事が重要だと思います。創業期の資金調達方法は
①bootstrap(自己資金で何とかする)
②debt finance(融資を受ける。まず家族・親族からを優先。次に金融機関)
③equity finance(株式を発行する)
この順番が基本です。本を読んだり先行する起業家や投資家数人と話せば、すぐわかること。起業するならそれぐらいのことは事前にしましょう!