猛暑で原子炉を冷やせない! 地球温暖化の影響が原発の稼働にも及び始めた
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核分裂原子力発電とその他も含めたエネルギー機関全般について少し考えて書いてみました。
現在稼働している核分裂原子力発電は臨界に達すると反応が連続して熱が次々と出てしまい、これを冷やし続けなければ炉心溶融のような大事故になってしまいます。
これを冷やすのに使っているのが水であり、熱を受け取って熱くなった水を冷やすために使っているのが日本では海水ですので、日本の原発はどうしても海沿いに造らざるを得ない状況です。
核分裂の原子炉を使う限りは冷やすことは必須なので、こればかりはどうにもなりません。外部電源が必要なのはこうした冷却システムを動かし続けるためです。
そこでいざと言う時に自然に停止するような方式という観点で、核融合発電は期待されています。外部からエネルギーを入れないと動かない、という仕組みが安全運転の観点では重要です。
核融合の他にも従来の各分裂技術の応用として、溶融塩炉といった最後はパッシブに自動停止するような仕組みの原子炉の案も考案されています。
また、火力発電は脱炭素の文脈で言うと肩身は狭いのですが、
・立ち上げや停止に何日も原発は時間を要するのに対して火力は数時間で安定運転可能
・燃焼を使ったエネルギー機関としては驚異的な熱効率(学生時代にその効率の良さに驚いたのを今も覚えています)
といった強みもあります。日本はこうした火力発電のシステム全体に関する世界トップの技術力を持っています。
○○発電は善で、△△発電は悪、という議論ではないと思うので、時代や技術力に応じて、適切なエネルギーミックスに調整し続けることが大切だと感じます。これは原子炉を冷やす水を川からとっている欧州諸国の問題で、海からとっている日本の事例には当てはまらない。水で冷やすという方法以外の手段も考えていかなければならない、ということなのだろう。