「中小企業淘汰論」はなぜ“炎上”しにくくなったのか 日本に残された時間
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「M&Aや、大企業との吸収・合併が進めば必然的に、中小企業の絶対数は減っていく。しかし、それぞれの企業の規模は大きくなるので、賃金もあがって生産性も向上につながっていく」何故、規模が大きくなると生産性が向上すると言えるのだろうか?アトキンソン氏とツイッターでやり合って、彼が何故そう言うかは理解できた。まず私がツイッターで指摘したのは、彼が規模の経済性と言った事について、経済学では規模とは生産量に関するもので、企業組織の従業員数ではない、という点だった。これに彼から直接反応があった。彼の主張は経済学の伝統に基づいている、というのである。その時ようやく分かったのは、彼の根拠はアダムスミスの有名なピン工場の例えにあるという。そこで、アダムスミスは分業の利益を論じたのだが、しかしそれは社会全体における分業を論じたのであって、企業組織内に限定される話ではない。彼の言い分から推論すれば、吸収、合併をして組織内で分業を進めていけば生産性が上がるという事だ。しかし、比較優位を無視してとにかく分業体制を進めても生産性が上がる保証はない。私のこの反論については、彼は一方的に捲し立てるだけであり、まともな反論はなかった。私は彼に、それなら日本の企業を一つにすれば(そこで分業を進めれば)生産性が上がるか?と問うと、そのような事は言っていない、ねつ造だというような事を返してくる。いやいや、それは彼の主張を推論したものであり、論理的な議論である。一方、彼の間違いを引用してして反論すれば、あなたは全く論理的ではないと返してくる。
社会における分業は複雑であり、別の組織との間であっても社会的な分業は成立する。組織を拡大すれば生産性が上がるというのは、一見もっともらしく見えても、実際には根拠に乏しいものである。