蓋を開けたら“どこも同じ景色”になっていた日本の「観光商店街」 チェーン店の進出で失われていく「らしさ」
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5月から6月にかけてブラジルのVIPの方をお連れして日本中の工芸品やデザイン、アートを巡る旅をしましたが、この記事にあるように同じような景色が並んでいた商店街がたくさんあったというのは否めません。しかしその責任をチェーン店の進出だけに押し付けるのはちょっと違うんじゃないかなと思います。チェーン店ではない地元のお店も外観は地域に根差したような雰囲気を出していたとしても、置いてある商品がチェーン店と変わらずだったり、お店自体のコンセプトが似通っていたり、「このお店、どこかで見た気がする」というお店がなんと多かったことか。。これはお連れしたブラジル人の方も同じことを仰っていました。
グローバリゼーションと共に都市景観の均質化が始まったのはもうそれこそ半世紀前くらいの話であって、それはコロナ禍で始まったことでは全くありません。時流に沿いつつ自社のオリジナリティを出し企業努力をしてこなかった個人商店が淘汰されるのは当たり前の話です。それはチェーン店にも言えることです。
要は、街の景観を作っている商店街をまとめる方々や、街並みの条例などを策定する行政側の方々にイノベーションを起こそうという意欲があるかどうか、商店街にはつきものの既得権益に負けずにオリジナリティのある商店を引き寄せる情熱があるかどうか、そして商店街として一つの共通した認識やセンスをシェアできるかどうかだと思います。
日本は海外に多く見られるショッピングモール型ではない路面店型商店街が特に多い国です。個性のある路面店が集まって商店街が生まれストリートカルチャーが育ってきた街がまだまだ多くあります。しかも24時間365日、安心して安全にストリートを歩ける国は世界を見渡しても日本以外にないでしょう。
外国の方々が羨む日本にしかできない、その地でしかできないまちづくり、お店づくりはまだまだたくさんあると思います。均一化するということはつまり、地域文化が貧しくなるということ。
日本の離島にある文化をSDGsに重ねて再考するという弊団体メディアの特集で、池澤夏樹さんに訊ねたら
「経済や軍事は均一な方が強く、均一であることで一丸となって戦えます。しかし文化はバラエティがあればあるほど豊かなのです」
という表現で、均一化についてのもやもやを説明してくれました。
多様なものが多様であり続けられることの必要や意義を考え、理解したうえで、均一化と多様性をどうバランスさせるかが論点だと思います。
参考記事(池澤夏樹さんの言葉は後半)
https://ritokei.com/pickup/k36_8_11テナント料の高騰化という中で、問題意識や思いがあったとしても個人商店経営者に実際に行動にうつしてもらうのは難しそうだなと感じました。
私が移住した栃木県の那須エリアでは、ディベロッパーの方々が中心になって那須の観光エリアに、約43,000平方メートルの敷地に「持続可能なまちづくり」をコンセプトにした商業施設が建設され、ちょうど明日オープンになるそうです。コンセプトに賛同した、雰囲気あるお洒落なお店がテナントとして入るとのこと。これらのお店は全国的なチェーン店ではなく、こだわりの個人商店のようなところばかりです。
ちなみにテナントに入るお店の1人の方曰く、日本の資産家ランキングの上位に入る著名なすごい方も関わっているそうです。(誰なんでしょうか?)
資本体力がある個人や企業には、こういったまちづくりのベースになるような大きなプラットフォームを作る形で資本を活かしてもらえたらいいのになーと個人的には思います。
ご参考:
https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2022-06-28-86049-7/
https://gooooodnews.com/story/