特許保護、海外サーバーの壁
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有識者にしっかり取材した良記事です。
日本でネットサービスを提供する際の懸念点として、この問題は以前から指摘されていました。しかし裁判例がなく、海外の事例などを見ながら恐る恐る事業を展開するという面もありました。
今回の判断はまだ地裁レベルで、このまま判例とはならないはずです。知財高裁の判断が待たれるところですが、いずれにしても属地主義を文言通り解釈するだけでは、特許侵害を問うことなど事実上困難になり、ただでさえ出願が低迷する日本特許を取得する意味がますます失われていきます。海外との差も開くばかりですから、その差を埋めるような新たな法理が提示され、それを追認するような立法上の手当てがなされるという展開が予想されますが、どうなりますやら。
注目のコメント
国内で保有する特許について、権利を侵害している相手方の侵害行為の一部が海外で行われている場合に、権利侵害を否定する判断。
プロダクト作りにおいて、意図的にサーバーの一部を海外に設置することによって特許権侵害を逃れられる可能性があることを示唆しています。
まだ東京地裁レベルの判断ですが、技術力を武器とする国内企業にとって、ネガティブな判決だと思います。
"海外にサーバーを置いて日本の特許法の適用を逃れる行為を問題視するなら、立法上の手当ができないか実務家を交えて議論すべき"
という高部真規子弁護士のご指摘はそのとおりで、悠長に知財高裁の判断を待つことなく、どのような立法手当が考えられるか
・特許権の属地主義の発想を堅持するのか
・あるいは刑法的に、権利侵害の一部でも国内で行われていれば権利侵害と積極的に考えていくのか
国としてのスタンスは早期に明らかにした方がよい論点だと思います。技術と制度の厄介な問題につき、双方の弁護士に取材しつつ、特許庁、司法関係者、法学の重鎮に話を聞いて整理する。さすが瀬川奈都子さん、記事のお手本。有料限定ながらpick.
普通の感覚ならそうなりますよね
"RIMは一部のデータをカナダのサーバーで処理していたものの、裁判所はシステムの管理や利用が米国内で行われていたことを重視し特許侵害を認めた。"