イノベーションの秘訣は「成功に固執しない」ことだ
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「イノベーション」という言葉を聞いて、みなさんは何を連想するでしょうか?インターネットの発明やAIの発展など、IT領域での技術革新を連想する人が多いかもしれません。
ですが、私たちの身の回りにあるもの全ての根底にあるのは、素材です。実は「素材イノベーション」こそ、私たちの生活を根本から変えるような可能性を秘めているのでは…?
そんな問いを、化学メーカーの日本ゼオンの田中社長に投げかけたインタビューです。夢の素材とも呼ばれる単層カーボンナノチューブの量産技術など、世界初の技術を生み出してきた同社に、その成功の裏にあるストーリーを聞きました。
個人的には、会社にとって社員の意欲ほど重要なものはない、とのお話がすごく印象に残りました。自分の意欲と探究心にとことん向き合える研究職、お話を聞いているうちに憧れてしまいました…!ぜひお読みください!「化学の世界は、報われないことが当たり前」という言葉に非常に共感しました。日本ゼオンの社長さんでも、こういう風に考えているんだなと。私も毎日実験をしながら報われないことが当然だな、と痛感してます。
"成功には固執しない、未来には期待する"
非常に良い言葉です。素材が何を指すかによりますが、チタバリやフェライト等といったブロックバスター的素材を発明すればOKという時代は終わりつつ有ります。部材や部品の一部の素材を置き換えるには、素材の組合せといった素材の相性を確かめることが必要でMaterials Informatics等で組合せ最適化が行われています。
日本の材料屋さんは優秀と言われていますが、一昔前までは実験屋と揶揄することも有り、ある意味成功に固執しないでセレンディピティを受け入れたりする素地を持っている人達でしたし、今でもスター研究者の方々は実験の方向性や効率化は進めても最後はひらめきのような表現を取られる方もいらっしゃいます。
これからは成功には固執せずとも、効率的に発明することを志向する必要が有り、かつ発明後の量産プラント立ち上げの早期化や先回りして用途を作るソリューションビジネスも必要になってきます。村田が発表した中計にはソリューションという言葉も含まれていましたね。