ニコン馬立社長、M&Aに最大3000億円枠を準備-25年度までの4年間
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問題は、オカネを投じる枠をどれだけ作るかではなく、どういう将来像に基づいて何をしたいのか、である。それに関する説得力ある説明はできているのか。
いくらオカネを投じようが、戦略なく目標なき状況で成功することはない。MA失敗の最大の要因はこれ。そして、失敗企業がMA前にお約束のように投資家にアピールするのが「MAやります。枠はあります」。何だか典型的な駄目パターンのような気がする。製品は好きなのだけどなあ。同社は2013年には売上高は1兆円を超えていましたが、今はその半分の5100億円余です。
背後にはカメラ事業でソニーによるディスラプションがあったこと、新規事業開発が頓挫してしまったことなどが挙げられます。これは、私の本で書いたところの、組織の慢性疾患が悪化し、急性期の症状に陥ってしまった例かもしれません。
今後の成長戦略の妥当性についてはまだ十分に見ていませんが、ノンオーガニックな成長を目指してM&Aをするにせよ、これまでの新規事業展開も比較的その志向からの失敗だったようにも見えるため、一発逆転を目指さず、地道に事業変革を積み重ねていくことが大事なのではないかと感じています。2021年3月期に大きな赤字を経験したニコンだけに、業績安定化と成長との両立に腐心している印象。海外の成功しているコングロマリットのように、事業の買収と売却の双方をうまく操り、勝ち切れる領域に事業を絞り込んでいくとなおよい気がします。