25年までに温室効果ガスを頭打ちに IPCC第3作業部会報告書
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報告書が次々出てくるので混乱しますが、IPCCでは
第1作業部会は科学的根拠
第2作業部会は影響・適応・脆弱性
第3作業部会は緩和策
をそれぞれ担当しており、
各作業部会から「政策決定者向け要約(Summary for Policy Makers: SPM)」と、より専門性の高い「技術要約(Technical Summary: TS)」の二つの報告書が出されます。これに加え、三つを統合した報告書も出されます。
今回のは第三作業部会から出た報告書の話です。
本文はこちら(1)にありますが、読むだけでもなかなか大変なので、まずは日本政府の出したSPMの要約(2)をご覧になると良いかもです。
(1)本文
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-3/
(2)https://www.jma.go.jp/jma/press/2204/05a/ipcc_ar6_wg3_a.pdf昨年夏から発表が続くIPCCの一連の報告書は、9月に統合報告書が発表されて一段落。国内外の気候対策を加速させるための科学的な基礎となります。パリ協定が掲げる気温上昇を1.5度に抑える目標を達成するには2030年までの対応が決定的に重要です。過去の例に従えば、次回のIPCC報告書の発表は5~8年後。その意味でも今回の報告書はタイミング的にも極めて重要な意味があります。ウクライナ危機がなければもっと注目されるはずなのですが...
今回のIPCC報告書は、気候変動の緩和、つまり温室効果ガス(GHG)の削減についてですが、消費者目線で重要だと感じた点をメモしてみました。
・家計消費は、国のGHG排出のmain contributorで(暖房・冷房などのエネルギー消費、交通、消費する商品の生産過程など)、国・社会経済状況などによって、その排出量が大きく変わる。
・世界的にみると、収入トップ10%のhouseholds(その2/3は先進国)が、GHG排出の36-45%に寄与している。
・報告書が引用している、日本の49都市の家計消費によるGHG排出を分析した論文(2017)によると、GHG排出の主な割合は、Energy (31%), Food (27%), Accommodation(15%)だった。
・個人レベルでできる効果的なアクションは、交通でなるべくGHGを出さないようにする(自転車、EV、公共交通機関を利用)、植物ベースの食生活、電気・冷暖房の脱炭素化、飛行機の利用の削減。