“CaaS”が硬直した「消費者信用市場」を変える理由
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与信サービス(融資、ローン)の肝は、誰にいくら貸せるか?の審査プロセスに尽きます。
そこでは、「過去」のトラックレコードとして企業であれば決算書、個人であれば各種サービスの利用実績や返済履歴などを元に「信用」が生まれている訳ですが、これだけデータや情報が溢れているのにいつまでも「過去の実績から生まれる信用」に依拠しているのが、ローンビジネスでDXが遅れていると言われる理由でもあるのでしょう。
Crezit代表の矢部さんが、「実は僕自身、日本の与信審査に苦労しています。スタートアップの起業家って、住宅ローンや家賃保証を組めないんです。Crezitの事業としては、累計9.2億円も調達しているのに、不思議なものですよね(笑)。」と言われていますが、まさに。
「現在、未来を評価するデータから生まれる信頼」に依拠した仕組みができると、新しいビジネスのマーケットが生まれてくると思います。昨今、グローバルで興隆しているフィンテックですが、方や日本に目を向けると、MoneyForwardやFreee、GMO等々が活発に市場を切り開いたものの、まだまだ手つかずの分野は多そうです。
Crezitの矢部代表が、なぜ今フィンテックが「攻め時」と語るのか。どうしてローン市場を攻めるのか。そのポテンシャルについて、深ぼってお話伺いました。これまでの、「過去」のトラックレコードに依拠した審査プロセスから、「未来」の価値を評価する仕組みへと与信判断の高度化を進めていくには、多くの失敗が必要になります。
貸倒れが発生して初めて、与信モデルをどうチューニングすべきかが分析できるので、不良債権をある程度抱えることは覚悟のうえで積極的に貸すべきなのですが、邦銀においては中々そこに踏み込めずにいるのが現状です。
フィンテック・スタートアップよりも資金力や財務基盤が潤沢な既存金融機関は、与信高度化へのコストと割り切って体力がある今のうちに取り組むべきですよね。(自戒もこめて…)