EVバブルははじける、日本は都市レベルのエネルギー管理を打ち出せ
日本経済新聞
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「EVは手段の1つでしかなく、その普及はカーボンニュートラルの完了を意味しない」、そのとおりだと思います。
IEAの予測では、2030年の世界の新車販売におけるEV/FCV化率は9%、2040年においても16%と、ハイブリッド車を中心とした内燃機関車の販売が中心です。また、ボストンコンサルティングによる予測も、2030年のEV化率が18%となっています。
もちろんEVの取組みも必要ですが、これだけで世界のネットゼロが達成できるわけではありませんし、日本がEVでの出遅れを巻き返し産業優位性を保てるのか、逆転の戦略も見えてきません。
また、EVの製造には、内燃機関車の6倍ものレアアース・レアメタルが必要というデータがあります。その多くは中国で生産されており、ただEV化を進めるだけでは中国への依存度を高めることにもなりかねません。
もちろん時間軸の問題はありますが、CO2を排出しないカーボンニュートラル燃料(E-fuel、バイオ燃料など)が実現すれば、内燃機関・ハイブリッドといった日本の強みを活かすことができます。ネットゼロ、産業競争力、いずれの面でも日本の勝ち筋となるはずです。
コロナや地政学的影響も受けて資源価格が異常に高騰していることは、現実を見ずに化石資源の絞り込み気運が一気に進行してしまったこととも無関係ではないでしょう。キーワードは現実と実現です。
日本が、日本らしく、長所を生かしてネットゼロに貢献する「日本型ネットゼロ戦略」をたて、官民で役割分担を明確にして実現に邁進していくことが重要だと思います。