【直言】SFプロトタイパーが”耳触りの良い物語”を提示しない訳
NewsPicks編集部
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SF小説『ピュア』で注目される作家の小野美由紀さんにインタビュー。最近、急速に依頼が増えているというSFプロトタイピングの意義や小説との違いについて、実例を交えて語っていただきました。
未来の世界を考える時、小説という手段がなぜ有効なのか。小野さんのお話ですごく理解が深まりました。「耳触りの良い未来は書かない」というところに共感します。企業がSFに注目していますが、広告宣伝的な「美しい未来」を描いているだけではSFの真の価値にアプローチできていないと思っていました。カート・ヴォネガットが言うように、SFの(さらには芸術の)重要な役割は「炭鉱のカナリア」。炭鉱内の空気が悪化したときにまず苦しみだすカナリアのように、未来に対してsupersensitveであることです。
一つ思うことは「絵」についてです。前日の内容に関連するかもしてません。
「かぐや姫はこの世のものとは思えない程の美しさでした。」
という文を読んだとき、頭の中でイメージするかぐや姫は人それぞれで多様性があります。しかし、これを映像にしてしまうと、例えば、絵画、アニメなどのアートにすると、その瞬間に「美しさ」が失われます。
SFなどの物語を映像によらず、文章で読むこと、それができるかは重要で、他人と差をつける要素だと思います。