金利上昇、世界に広がる 債務膨張で負担重く
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金利上昇そのものより、金利上昇という重要な市場のシグナルを「指値オペ」という手法によって抑え込もう、封じ込めることができるとする姿勢の方が気になる。
そもそも金利上昇を封じ込めることで何が得られるのだろう。
本来、金利の上昇によって促される「ゾンビ企業」の退出は、長期的には経済全体によって望ましい。中短期的には、失業率の上昇という形で痛みを伴うけれど、長期的には、人的資源を含めた経営資源が新たに社会に付加価値をもたらすスタートアップなどに再配分されるからだ。
また、「金利上昇」だけでなく「株価下落」も市場の重要なシグナルの一つだ。短期的な下落に右往左往する必要はないが、30年以上続く株価の相対的な長期的衰退には大いに耳を傾けるべきだ。にも関わらず、「株式投資はお金持ちのギャンブル」程度にしか考えないのはいかがなものだろうか。この金利上昇が、コロナ前の水準に戻る動きでとどまるのか、コロナ前より高い金利水準になる動きなのか、見極める必要があろう。金利は、市場の需給で決まる面もあるが、中央銀行の政策スタンスにも影響を受ける。
記事は公的債務を前提にした書きぶりだが、コロナ禍で民間債務も増えている。金利上昇には、政府(公的部門)よりも民間の方が弱い。民間債務に与える影響も、今後注視すべきだろう。金利上昇はしているし、米国10年物が2%を久しぶりに超えたのが象徴的。ただ、短期の上昇の方が激しい。
下記で米国のイールドカーブが見れるが、1年前と比較しても1か月前と比較しても、期間が短いものの上昇が大きい。1年前との比較では特に2~7年くらい。インフレで利上げを織り込んでいる一方、長期の上昇はそこまで発生していない。
https://jp.investing.com/rates-bonds/usa-government-bonds
30年債とかは、特に数十年の超長期でジワジワ低下傾向。そこが上昇トレンドなどに転じるのかなどは、個人的に気になっている。
https://fred.stlouisfed.org/series/DGS30
10年-2年の利回りスプレッドは、逆に低下している。過去の利上げフェーズとここは一緒。
https://fred.stlouisfed.org/series/T10Y2Y