西武HD、ホテルなど30施設売却 外資系に1500億円規模
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「外資系に売却」などというと、なんだか物騒なイメージを持って身構える向きもあるかも知れないが、GICはへたな日系不動産ファンドよりはるかに洗練された経験豊富な投資家で、記事にあるシェラトン・グランデ・トーキョーベイだけでなく、恵比寿のウェスティンホテルや赤坂のインターコンチネンタルへの投資など、ホスピタリティの分野では国内で他に比肩するものがないほど圧倒的なトラックレコードを持っている。しかも彼らは国家ファンドとして超長期の投資スパンを持つ投資家。今後少なからず流動化が進む国内企業のバランスシートに眠る不動産の新しい受け皿としても、ますます存在感が出てくるはずです。
西武系ホテルはプリンスという名称の通り、東京の歴史的な一等地を占有していた旧皇華族系の屋敷地を、時代的な背景と政治力で安価に取得しまくったという出自があるので、立地と規模はとにかくSS級のものが多い。
ただし立地の良さに反して、デザインやホテルとしての質は昭和のうらぶれた感じを今も引きずっている感じで、どれも立地や歴史性をほとんど生かせておらず、都市資産活用の残念な事例の代表例というような状況になっている。地勢を無視し、開発の連続性による価値創造もほぼ考慮されないようなつぎはぎ展開で、都市資産の価値をどんどん棄損しているような状況だったので、むしろ国際的な視点で潜在価値を活かせるプレイヤーの手に渡ることは、東京の住人としては歓迎するべき動きなのかなと。
村野藤吾に徹頭徹尾デザインさせて圧倒的な世界観を実現し、今もその資産を維持しているいくつかの事例(新高輪、箱根芦ノ湖、京都宝ヶ池など)もあって、昭和の歴史遺産を形成したという点では大いに評価すべきだけれど、特に東京の都市型開発事例群は、やはり土地や社会のポテンシャルを殺しているという印象。
江戸の大名屋敷や広大な寺地とそれらに由来する庭園は、東京という独特の地勢と歴史のとてもユニークかつ貴重な都市遺産なのだけれど、現在は公共の公園か、もしくは老舗ホテル(椿山荘、シェラトン都、高輪プリンス群など)にほそぼそとその遺構を残しているに過ぎない。これらを細切れにして企業の生き残りに使うのではなく、より長期的な社会資産として最大限に活用してくれるプレイヤーの手にゆだねられることを祈ります(でも今回は、そうした庭園系資産は対象ではないんですかね...)。百恵ちゃん達より一足早く、東京プリンスホテルで挙式披露宴を挙げ、「菊花会会員割引」で、軽井沢とか田沢湖とか北海道のどこだっけ、ともかくあちこちのプリンスホテル行ったものだった。40年くらい前は、それがオシャレだった。
セブンアイは西武デパート、こちらもバブル期、初めてアルマーニはじめハイブランドの世界を、外商カードと共に教えてくれたデパートだったが、売りに出している。
堤義明、清二の確執がなければそもそもこういう展開にはならなかったのか、、、東急の五島家とは違ってしまった。
西武の全盛期に青春を過ごした身としては、なんだかとても、、、平家物語の気分。。。。