話題のレバナス投資 特有のリスクに注意 金融庁はNISA対象外に
コメント
注目のコメント
レバレッジ型・インバース型の投資信託やETFについては、金融庁もHPのトップページで注意喚起をしていますが、特に注意しなくてはいけないポイントは、商品の設計上、相場が一定の範囲内で膠着状態にある場合、価格が下落する「減価」だと思います。ナスダックの日々の騰落率の2倍や3倍の動きとなるリスクの高さは、購入者は当然理解していると思いますが、減価の仕組みまで理解した上で購入している人がどの程度いるのか懸念されます。
上記特性も鑑みれば、長期投資には向かず、短期売買を想定した商品となり、その割には販売手数料のコストが相応にかかるため、手元資金の範囲内で、ノーロードかつ安い信託報酬のプレーンなインデックス投信を買う方が、無難かと思います。レバナスは短期投機商品です。日々の騰落率の2倍の値動きを目指して設計されており、その商品特性上、上げ下げを繰り返すだけでNAVは逓減していきます。
例えば現指数が次の通り動いた場合、
10000→9000(-10.0%)→10000(+11.1%)
レバナスのNAVは設計通りに運用できたとして、
10000→8000(-20.0%)→9776(+22.2%)
となり、現指数が元に戻ってもレバナスのNAVは減価します。
長期保有するとこの逓減の影響を大きく受けるため、レバナスは長期投資としては不向きな商品です。
また、そもそもインデックス運用隆盛の現状においては、企業業績の見通しを株価に反映させるアクティブ運用の影響力が限定的となっており、インデックス運用が有効となる条件が満たされていません。したがって、(専門家でも意見が分かれるかとは思いますが)私は、レバレッジの有無に関わらず、インデックス運用は現在の環境下では投資には不向きであり、投機商品として捉えるのが正しい見方だと考えています。
SNS上などで投資としてレバナスを勧める輩は、「リテラシー不足」か、あとからそのインデックスに投資する人が増えれば増えるほど需給要因から自身に利益となるため誤情報を流布している「ねずみ講紛い」のものか、あるいはSNSの収益化のためにお布施する信者を集めている「宗教」です。見かけたら気をつけましょう。
「一緒に勉強しましょう」「…はプロフで」などは、投資初心者を狙った上記の輩がよく使うワードです。怪しいアカウントを見分ける参考となれば幸いです。
なお、インデックス構成銘柄の業績見通しを分析した上で行うのであれば、インデックス運用も立派な投資となり得ます。この際にレバレッジをかけるのであれば、東京金融取引所のCFD「くりっく株365」をおすすめします(レバレッジの有無は投資と投機を分ける要素ではありません)。「くりっく株365」であれば1年3ヶ月という比較的長期の保有が可能であるため、(期近中心の売買となる)先物よりもロールオーバーのコストを抑制できます。また、金利相当額・配当相当額の受け渡しもあり、それらに払い手・受け手間のスプレッドも設けられていない公正な形となっています。2/28にはNASDAQ-100も上場予定ですので、タイムリーなのではないでしょうか。