メルカリ、社員の博士号取得支援 年200万円支給
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かつて製薬企業で働きながら博士課程に学生として在籍しました。プライベートのお金・時間を使うので言う必要すらない事案ながら、「通う事実」について上司に伝えたところ、「見識を深めるための学びだとしても感心しないが、うらやましい」と言われ、「残業等を含め業務に支障がないようにだけは頼む」と念押しされた上、「(企業の文化から見て)個人的に目立つ行動は慎んだほうがあなたのためによいので、聞かなかったことにする」と上から言われました。
これは親身にしていただいた方からのアドバイスです。その方は私の出世にマイナスになる可能性があると直感したのでしょう。一方、私の方は「会社が一生の面倒を見てくれるわけでもあるまいし」と気にしませんでした。結果、私にとっては人生の選択肢は広がりました。
記事にあるように、少しずつよい時代になっていると思います。博士号は、日本以外の国では基本的に汎用資格だとみなされ、国際的にビジネスを進める上での肩書として重宝します。海外のエアラインではMr. Ms. に優先して、Dr.のプレフィックスが使われますが、このような点からも「高度専門技能取得者に対する敬意」の文化を感じます。日本企業での評価はいざ知りませんが、国際的には、ビジネスの世界でも人物評価の際には最終「学位」を(出身校よりも)重視して選考する可能性は高いと思います(職種によりますし、資格・肩書と実力が一致しないことも承知の上で)。
ご自身のスキルアップのためにも、国際的にないし国際企業で活躍するためのバックグラウンドを備えるためにも、取得できる環境があるのであれば取得は十分検討に値します。しかしながら修士を余裕で修了している方にとっても簡単に取得できるわけではなく、仕事をしながらだと相当学問に人生をささげたうえで、5年間程度の覚悟が必要になる可能性があります(個人の能力と努力次第ですが)。それが不十分だと当然のように取れません。一般論ですが、日本の文系の学位授与の厳しさは、アジア圏では有名だと思います。これ、興味深いニュースですが、
なぜ博士号取得者の採用拡大ではなく、
社員の博士号取得援助であるかが気になります。
裏読みすると、既存の博士号取得者は会社のニーズに合わないという判断にも思える。
なお、知財特許への言及を見ると、エンジニア系の博士号取得を主に想定していると思うけど、大学での研究の成果は指導教員との相互作用によるものだから、学生との契約だけで「在学中に社員が生み出した知財特許」を会社も利用できるというのは難しいのではないかと思えます。
いずれにしても、ベンチャー企業として興味深い試み。
しかし、実は、日本の伝統的大企業では、修士課程以下で採用した理系エンジニアを在籍のまま大学に派遣して、博士号をとらせるという仕組みは結構あった(今もある?)のです。
かくいう私の父が、石油会社の研究所に勤めながら、
大学の研究室に通い、博士号を取得した人でした。
「メルカリに2年以上在籍する正社員が対象。2022年秋からの入学を想定し、6月をめどに5人程度を選ぶ予定。入学金や学費などを原則3年間支給する。」
「在学中に社員が生み出した知財特許はメルカリ側も利用できるようにする。」博士は国立なら年間50万円、私立で高くても年間200万円くらいで、しかも人数枠が5人なら、Out-of-pocketのコスト総額の期待値は数百万円後半でしょう。これで①先端知識の取り込み、②先端知識を大切にするカルチャーの醸成、③社員のエンゲージメント増大が図れるのは良いと思います。
分野は限定せずと記事にあります。社員の方々の属性からして制度の利用者はCSが中心になるのでしょうかね。