ANAとJAL、米国5Gサービスの影響により19日以降の米国便が一部欠航へ
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現状でこちらの記事が技術的な背景について詳しく書かれていると思われます。米国での5Gは、日本や欧州と異なりアンテナが下向きではなく水平になっていて、かつ出力も2倍以上と大きくなっていることや空港周辺のアンテナの制限区域が小さいことから、旅客機への影響が大きいのではとしてFAAは5Gの導入に非常に慎重な姿勢を見せていました。米国の通信事業者もそれに理解を示し、2022年1月19日の5Gサービス開始も本来から1か月以上遅らせたスケジュールとなっていました。
主に影響するのは視界不良時の着陸誘導に使用する電波高度計に干渉するというものですが、視界不良時は自動操縦で着陸することも多く、そのため着陸性能に影響する程度がどの程度のものであるのかすべてチェックする時間が持てなかったものと考えられます。すでに777、787、A340を除く他の機種では問題がないことが確認できたものの、787では着陸性能に一部影響する可能性があり臨時の手順を検討するとFAAから発表されているほか、777についてはまだ影響の検証中となっており、メーカーのボーイングから何らかの具体的な情報がユーザーであるJALとANAに入ったものと考えられます。
おそらく787では電波高度計を特定の手順で無効化するなどして飛行可能などとなっており、777は検証中であるため検証が終わるまで米国での5G開始当初は念のため飛行しないことを推奨したのではないかと考えられます。今後数日で状況が変化することも予想されますので、米国へのフライトを予定されている方は航空会社からの情報にご注意ください。連邦通信委員会FCCは当然ながら米国内の電波出力を想定して各種規格を決めていました。
FAAとFCCは共に連邦政府組織、ボーイングは米国を代表する巨大企業のひとつ。欧州のエアバスがいうのならともかく、同じ米国でありながら事前に確認が取れていなかった理由を知りたいところです。