DX遅れは中堅社員のせい? 40代「関わりたくない」4割
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タイトルだけを見ると、日本の中間管理職、中堅社員はダメなのかと思いかねない見出しである。確かに、かつて経営改革やBPRなどのプロジェクトが目の前で瓦解していった歴史を目の当たりにしていると、最初に動いた者が損をするのではないかという疑念を持つのは、当然のことである。そうでなくとも、時間を切り詰めて仕事をしている中で、新しいことに取り組む負荷というものは非常に大きく、先頭にたって実践しても、無駄になることは目に見えているというのが正直な気持ちであろう。
これまで組織が実践してきたマネジメントとは、従来の組織行動を維持するために組織に課したルールであり、プロセスであり、マインドであり、実務が逸脱しないいように管理職を設置したものである。この状態は、DXでいう変革を図れないのは当然でと言える。DXにおける中間管理職の役割とは、組織がデジタルを活用して価値提供の仕組を変えるための方向性を指し示し、自ら率先して行動変容することである。
残念ながら、このように動けている中間管理職は皆無に近い。中間管理職がやる気になっていないDXに現場社員がついてこないのは、当然のことだ。現場社員が新しいイノベーションのアイデアを出したとしても、従来の延長で中間管理職が対応すると、「仕事が増えるので、まずは本来やるべきことをやれ」とか、せいぜい「よいアイデアだけど、そういう新規サービスを作ってくれる他部署が動いてくれないと」などという反応になってしまう。中間管理職がそのような組織行動をとる理由は、そのように役割や行動が設計されているからだ。
つまり新しい価値提供の仕組、新しいビジネスモデルを模索するには、それ相応の組織の行動変容が必要で、組織行動を変えるには、社内の様々な要素を変える必要がある。したがって、中間管理職の行動変容を促す仕組みを作るのは経営の仕事である。「うちの中間管理職は保守的で新しいことに取り組まない」とか「うちの課長連中からは新しいイノベーションのアイデアが全くでない」などと、中間管理職に対する批評家になっている経営者がいるとしたら、これは職務怠慢である。これらの組織の行動変容のリーダーシップをとれるのは、経営陣に他ならないからである。
注目のコメント
DX遅れは「とにかくやれ」と言う上のせい。
または、上の仮説を「とにかくやれ」としか解釈できない中堅社員のせいです。
どちらにせよ、経営戦略とDX戦略が不明確なのでしょう。
戦略が明確で、適切に社員へ伝えていれば、関わりたくないなんて言うハズありません。
戦略が明確であれば、人事・評価制度も見直しされてるハズです。
日本企業は戦略リテラシーが疎いことが否めません。40代社員はDXから逃げ切ることはできないですね。55歳以降であれば、ぎりぎりでしょう。
60歳まであと20年もしくは11年かなと思いますが、11年仕事をしていれば、あらゆるものがドラスティックに変わっていきます。
そこに関わりたくないということは、経営陣からしたら、会社に関わりたくないという文脈に聞こえてしまうような感じです。