「市中感染想定し対応を」 オミクロン株感染力「推計4倍」―厚労省助言組織
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「推計4倍」とは西浦教授らの調査結果から感染者1人が平均してうつす人数である「実効再生産数」がデルタ株の3.97倍が根拠になっています。実効再生産数は「(ある時刻における一定の対策下での)1人の感染者による二次感染者数」として、
「実効再生産数」=「新規陽性者数/(世代時間)日前の新規陽性者数」
で近似されます。
新型コロナウイルスの世代時間が、仮に西浦教授が過去に使用していた「世代時間5日」だとすると(記事からはわかりません)、デルタ株の4倍の感染力ならば、感染者数は以下のように変化します。
ケース1: デルタ株の実効再生産数=1(不変)を基準とした場合
0日 5日後 10日後 15日後 20日後
デルタ株 1 1 1 1 1
オミクロン株 1 4 16 64 256
ケース2: デルタ株の実効再生産数=2を基準とした場合
0日 5日後 10日後 15日後 20日後
デルタ株 1 2 4 8 16
オミクロン株 1 8 64 512 4096
参考文献
「COVID-19感染報告者数に基づく簡易実効再生産数推定方法」(IASR Vol. 42 p128-129, 2021年6月)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2502-idsc/iasr-in/10465-496d04.html
オミクロン株による感染はデルタ株ほどには重症化する危険性は少ないとのデータは蓄積されつつありますが、少なくとも相応の病原性をもったウイルスだともみられています。2回のワクチン接種でも感染が見られているケースが多く報告されており、一斉に蔓延するときに感染した場合には適切な医療サービスを受けられない可能性は、個人として認識しておく必要があると思います。
別記事でオミクロン株の性質に関する情報をまとめています。
「英、オミクロン株で死者 世界で初確認か」(共同通信 2021年12月14日)
https://newspicks.com/news/6455483?ref=user_1310166世界を見渡せば、ワクチンの2回接種後から間隔が空いて抗体が下がっている状況、感染が流行しやすい冬場、オミクロン株の登場といった条件が重なって、感染者数が増加傾向の国も多くみられます。世界全体でみても最近2ヶ月間は患者数が増加傾向にあります。幸いにも日本の感染者数は最近数ヶ月間は抑えこめていますが、オミクロン株については日本でも既に市中感染が起こっている可能性も十分あり、感染が再拡大するのは時間の問題かもしれません。
感染が落ち着いている時期だからこそ、医療機関と行政が連携し、①感染者数が増加した場合のフレキシブルな病床運用方法の検討、②抗体カクテル療法などコロナの重症化を防ぐ治療の体制強化、③ブースター接種の促進 といった準備を進めておく必要があると思います。オミクロンは70倍のスピードど拡散する一方、ウイルスの増殖は変異前ウイルスの10分の1に満たないことから、「症状の深刻度は低い」ことが示唆。ファウチ所長はこれまでのワクチンで対応できると明言。水際対策せずにオミクロン受け入れた方がコロナ終戦が早まりそうw