村田製社長、赤字覚悟で電池事業の投資加速へ-部品にブランドを
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これはMLCCライン転用の酸化物系全固体電池の話というよりも、ソニーから買収したfORTELION(LFP)などの電池を指してます。既に赤字だったので手放すか投資するかの二択で、赤字覚悟の投資となったのかと思われます。
セグメントを「コンポーネント」、「デバイス・モジュール」、「ソリューション」に分けるということなので、MLCCもfORTELIONも、全固体も「コンポーネント」に収まると思いますが、これを以下にモジュールやシステム、ソリューションやサービスに仕立てるのかもブランド戦略として重要になってくると思われます。電池事業が積層セラミックコンデンサーに次ぐ規模の投資になるとのことですが、3年間で6400億円の設備投資のうち、電池事業にいくら投資をするのでしょうか?
電動工具や掃除機向けに電池が予想外の引き合いが来ているということで生産が追いつかないのを埋め合わせる投資の規模ではないでしょうから、どういう市場を狙っているのでしょうか?
電池事業でEVを狙っていることはないでしょうから、住宅用の蓄電池だとすると、コスト競争力についても自信があるということなんでしょうか?
それともコードレス掃除機やアシスト自転車など、今後も売れるアイテムに村田製作所はマーケティングしながら、「Intel入ってる」、「これもmurata、あれもmurata、動かしてる」と黒子脱却を考えているんでしょうか?
村田製作所が得意とするAGVなどは物流センターの無人化やEVやガソリン車の混流生産用に、需要が拡大しています。自社のAGVに電池を搭載できるのは強みです。
また警備ロボットやアバターロボット向けにも期待しているのかもしれません。
どこを狙っているのかは、気になります。
これだけ投資するからには、既に引き合いなど具体的な商談と予測が立っているはずですから。
◎村田製作所Web: 無人搬送車(AGV)はスマートな搬送ロボット(AMR)へと進化、 工場の操業を効率化
https://article.murata.com/ja-jp/article/dx-smart-factory-8
◎ EV時代へ混流生産磨くマツダと日産 専用工場急ぐVW、GMに挑む
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00109/101100113/
◎ 2020年はアバターロボット元年!
続々と実用化を目指すサービスが登場
https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/robotics/h_vol29/『米インテルを引き合いに「部品にブランドがあってもいい」と持論を展開した。』
現在フロンティアマネジメントにいらっしゃって、元々モルスタで電子部品のトップアナリストだった村田氏が「ムラタ、入ってる?」というレポートを15年くらい前に書かれていた。まさにそれ。
特殊用途に絞るという経営判断をしないのであれば、投資が必要な領域。一方で全員がそう認識しているから、投資をしたうえで負けると、負けの規模も大きい。
村田の財務体質は極めて強い一方で、世界の巨大企業がガンガン投資をしている現実もあるが、どうセグメンテーション・ターゲティングして、どれくらいアクセルを踏み込むのか。
電子部品業界に興味がある方は、下記の本は必読。
電子部品だけがなぜ強い(村田 朋博)
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