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中根千枝さん死去 94歳 社会人類学者「タテ社会の人間関係」

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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    女性として初めて東京大学の教授になった人ですが、それ以前にシカゴ大学やロンドン大学での教員歴が十分にあったから可能でした。
     人類学者としてはインドで調査した人でしたが、圧倒的に有名になった著作は『タテ社会の人間関係』でした。日本人論のはしりで、日本人論大好きな日本社会で大きな影響を持ち続けています。
     『タテ社会の人間関係』は、国内、国外で、日本社会や日本的経営を説明するための基礎的文献として、絶大な影響を持ち続けてきました。たとえば、終身雇用や年功序列を説明する際にも「日本はタテ社会だから」と説明されることが多かったです。
     そしてこの本の副題が「単一社会の理論」であることからもわかりますが、「日本が単一社会」であるという説明の根拠とされ、時に誤解されながら、日本は単一社会であるという思い込みを広めるのに少なからぬ影響がありました。
     タテ社会というのは、つまり先輩・後輩、親分・子分といったタテの人間関係で構成される「場」のことです。日本人にとっては当たり前すぎるくらいですが、部活でも会社でも、「場」に属するというのは、タテ社会の人間関係に属することです。
     一度タテ社会に組み込まれてしまえば、「場」の一員であり、疑似的な家族にさえなるとされます。その人間の出自や宗教、能力は問題にされなくなります。
     「場」の中ではタテの人間関係を遵守することは絶対であり、実力や資格を理由にタテ社会の人間関係の序列を乱すようなことは許されない、とされます。
     今ではネガティブにとらえられることも多いタテ社会の人間関係ですが、発表された1960年代当時は、日本社会の独自性と優位性を主張する根拠となり、日本社会で熱心に歓迎されました。この本が示したのは、日本社会というのは前近代的封建社会などではなく、欧米とは異なる独自の社会構造を持ち、企業経営に適用されることで欧米と互角以上の競争ができる、という可能性であったからです。


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    講談社 宣伝統括部担当部長

    重版の回数を示す刷数は132刷、累計発行部数117万部。
    日本社会を理解するための、必読書です。
    合掌。


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    東京大学 総長

    本学の卒業生、名誉教授、そして2001年の文化勲章受賞者である中根千枝先生の訃報に接し、深い哀悼の意を表します。

    中根先生は本学東洋文化研究所教授を長きにわたって務められ、社会人類学者として数々の業績を挙げられました。インドでのフィールドワークをもとにした研究に加え、日本社会の分析においても、日本を代表する研究者として国際舞台で活躍されました。1967年に刊行された『タテ社会の人間関係』は、日本研究の名著として10以上の言語に翻訳され、今日まで世界中で多くの人に読み継がれています。

    中根先生は女性として初めて本学の研究所長(東洋文化研究所)を務められました。また、女性初の学士院会員でした。学問のグローバル化を推し進めた中根先生の長年の学術と教育へのご貢献を、本学は大切に受け継いでまいります。

    中根先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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