【問題】GDPが増えても、なぜ私たちは幸せになれないのか?
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「幸福」を感じる要素としてよく言われる4つは、なりたい自分への成長=自己実現、自分らしさ、楽観的、そして人との繋がりです。「人との繋がり」は、特に大切な要素だと思います。
不安な時代になるほど、人との繋がりは求められますし、人との繋がりで、色んなことを学び自己成長も導いてくれる。そして、何より心と身体の健康へも繋がります。変化が多い時代だからこそ、人と人の繋がりは、大事だと痛感します。本書の結論は「みんなで子どもを育てる」。最初は「え、その結論?」と思いましたが、読めば読むほど、納得のいく答えだと感じました。ぜひともそこに至るまでの論理的道筋をお楽しみください。
各国の一人当たりGDPと(自己申告による)幸福度をグラフに描くと、明確な正の相関があることが知られています。
https://ourworldindata.org/grapher/gdp-vs-happiness
つまり、GDPの増加は国民を幸せにします。これが大前提。
その上で、二つ忘れてはいけないことが。
第一に、上記の現象はあくまで平均であって、GDPの増加が全ての国民を幸福にすることはないし、なんなれば大多数の国民を幸福にするとも限らないこと。つまり「取り残された人々」についてこの結果は何も語っていないということ。
第二に、あまりにも当たり前ですが、幸せの要因はGDPだけじゃない。家族、健康、生きがい・・・・。他の全てがそのままでGDPだけが増えるなら、国民はより幸せになるでしょう。ところが他の何かを犠牲にしなくてはGDPが増えないなら、それは全体として幸福度を増大させていないかもしれません。
好例がコロナです。
アメリカはコロナ前に比してGDPは増大したが70万人が死んだ。
日本はコロナ前に比してGDPは縮小したが死者は2万人以下。
アメリカの方が幸福だと言えるでしょうか?
最近のコロナのニュースで、NPではあたかもGDPを金科玉条のように語る浅はかなコメントが多いのは非常に気になるところです。多くの子どもにとっては、数%のGDPよりも大好きなおじいちゃんおばあちゃんが健康で生きていることの方がはるかに大事ですし、幸福です。
また、全ての国をプロットすれば上記の相関は明白ですが、各国の近年のGPDと幸福度の増減を追うと、相関はむしろ逆であることもあるようです:
https://www.economist.com/graphic-detail/2019/03/21/economic-growth-does-not-guarantee-rising-happiness