【危機】日本の自動車エンジニアは「車」を分かっていない
コメント
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非常に示唆に富んだ内容であると感じました。
個人的な考えとして効率化の先に、システム化されたオペレーションが確立され、製品やサービスの品質が均一化されていき、その先に大企業という状態がある。
流れはかなり端折っていますが、少なからずそういう企業の成長のイメージを漠然と持っている私にとって、その効率化の最たる例である分業制や、最近でいう所のデジタル化の波など、便利であるし更に広まれば良いと思っていることの負の部分や課題感をまさしく現場レベルの目線から語っていただけている感覚です。
他の方もコメントされているように、これはエンジニアだけに留まる話ではなくあらゆる分野の業務や経営に共通する話でもあるとも捉えました。そしてこれは今に始まった話ではなく、バブル崩壊後などにはすでに叫ばれ始めていたことなのだろうとも推察します。
また、表現を変えると、様々なビジネスツールや環境が便利になればなるほど個人で見た場合に成長のための失敗や経験がしづらくなり、その集合体としての企業や国の競争力が意図せず低下していくような負のサイクルを生み出すような感覚でも捉えています。
だからどうする?の部分について
>「現地、現物、現実」という「三現主義」
今から自分自身がエンジニアになるとか、現場を一から理解し直すということができるかどうかは別として、文中にもある大事な三現主義について自分自身の業務や会社にも置き換えて見直す、実行していくきっかけとする。
注目のコメント
大企業では分業だし現場を見れない、というあたりの話は、そういう仕組みを作り上げたからこそ大企業になったんだし、そういう分業の中でもすり合わせをしたりチームで動いたりすることで全体最適の視点も(他社に比べたら)あったことがトヨタの強みだったはずなので、個人のキャリアとしての話は、そりゃそうだよね、という感想
それよりは、そういう中だと会社としてゼロベースのイノベーションが生まれなくなってしまうという後半の話のほうが重い話だな、と感じます
あれだけ家電メーカーがあっても、飛び出した人がベンチャーを作ったり、アイリスオーヤマに行ったりしたほうが、イノベーションが起きているのと同じ構造
企業内でそれをやろうとすればワカモノ、ヨソモノ、バカモノにどれだけ伸び伸びやれる環境を準備できるか、ということが大切な気がしますこの手の問題は自分が社会人になった1990年代にすでに開発現場では噴出していました。
その後、エンジニアとして中小・ベンチャーそして大手企業の開発現場を渡り歩いた実体験としても、中小企業の設計者の方が圧倒的に設計力がありましたし、実際今も高専卒が最も現場では即戦力があります。つまりエンジニアの能力は経験値です。
エンジニアとして経験値を積みたかったり力をつけたければ、今も昔も中小・ベンチャーの方が圧倒的に力がつきますし、大手企業であれば新規事業や新製品開発という希少部門に配属されなければ難しいというのが現実です。
ただし・・・日本の開発力の低下の最大の問題は、開発経験がない経営者が増えたことにより、その希少な経験値を積み重ねてきたエンジニアの評価や報酬が低すぎるということにあるのです。エンジニアに対してだけでなく、経営にも非常に重要な示唆がある記事と感じました。「東大生は説明を聞けばわかると思っている。男の子に『お前、説明すれば陣痛の痛み分かるのか』と意地悪を言う」と意識と感覚の違いを指摘されていたのは養老孟司さん。
「サイボーグ009」(古い!)から「呪術廻戦」まで、ゴールが同じだから多様性が生きる。全体像が分かってこそ1つ1つのピースが生きる。「全体最適」なんて使い古された言葉ですが、今一度原点に戻れと、問題提起されていると思います。