【亀山×南壮一郎】雇用が変わる。その準備はできているか?
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注目のコメント
日本の終身雇用については、書かれている通りだと思う。
いくつか文脈があり、米国製造業の代表格は、Fordのリバー・ルージュ工場という、1928年に完成した製鉄所まである垂直一貫工場。ただ、労組が強くなりすぎコスト負担が増えた。日本では、戦後復興のなかで、自社ですべて手掛けず、系列サプライヤーを作り、処遇差をつけた。この労組構造の違いは、米国Big 3の凋落の主要因でもある(そもそも労使協調をどれだけできたり、その前提となる経営がどれだけうまくいっているかなどもある)。
また冷戦時には、共産主義のほうが成長・アンレナーシップが少ない一方、格差も少ないという印象論があった。その対抗として、国家戦略含めて西側諸国で年金など社会保障の充実が行われ、その受益構造として終身雇用が有利になるようになった。
米国はそれで70-80年代に苦しんで、90年代以降にITや金融への産業構造転換。転職も活発になり、産業構造の転換自体を加速させるもの。一方で格差も広がり、下記のエレファントカーブの構造が生まれた。
日本ではバブル崩壊後、90年代はそれでも雇用を維持しようと頑張った。でもさすがに90年代後半から徐々に壊れ、リーマンショック以降は加速。また職業観も変わり、転職が当たり前になりつつある。。
一方で、すりあわせなど文脈知見の蓄積が重要な時間軸が長い産業で、経験年数は重要だと思う。自動車、半導体製造装置や工作機械などのマザーマシン、また電子材料など機能化学はその代表領域。その産業でまだ一定の競争力があることは、日本にとっての価値。時間軸が必要だからこそ、良い経営をして、競争力を守り育ててほしい。そしてこれらは雇用吸収力も大きい。リアルなモノは今後も必要なわけで。
こういった背景が、グローバルの格差への価値観、特にミレニアル以降の職業観や課題意識に影響を与えていると思う。
【完全解説】なぜ、世界はこんなにも「不平等」なのか?
https://newspicks.com/news/5585106
【先読み】日本人にも影響大。どうなる「米国のインフレ」
https://newspicks.com/news/6035994
【関灘茂】A.T.カーニー日本代表が語る、会社の「究極のゴール」
https://newspicks.com/news/6128699アメリカの平均在職年は5年(私企業では4年)だそうですが、転職が増えれば企業もそれに対応せざるを得なくなるし、そうなればさらに転職がし易くなるでしょう。もちろんこれまで通りという企業もあっていい。いずれにせよ、自社の将来をはっきり見据えて、DXとかジョブ制とかでおたおたしている場合ではないということですね。働く側としては逆転も起こりやすい時代になってきそうです。