「あなたは馬ではありません」 コロナ治療目的での家畜用医薬品服用、米当局が警告
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イベルメクチンが有効とされた研究、そしてメタアナリシスはあります。
しかし、『効果がある』とした原動力となった研究の多くは『捏造』と判明し、撤回されています。
▷Ivermectin in COVID-19 Related Critical Illness
(初期に発表されたプレプリント論文。捏造が判明し撤回。)
https://www.isglobal.org/documents/10179/6022921/Patel+et+al.+2020+version+1.pdf/fab19388-dc3e-4593-a075-db96f4536e9d
▷Elgazzar, A. et al. Preprint at Research Square https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-100956/v3 (2020).
イベルメクチンが有効とした最大の研究。データの扱いの懸念が指摘され撤回。)
特にElgazzar論文が下記のメタアナリシスに影響をしています。
▷Bryant, A. et al. Am. J. Ther. 28, e434–e460 (2021).
撤回された論文を除くと有効性がはっきりしなくなり、これらから、イベルメクチンに対する議論は『効果は証明されていない』に戻っています。
現在、大規模試験がいくつか進行中です。
たとえばTOGETHER試験などです。
▷https://www.togethertrial.com/
もし科学的な有効性が証明されたら、多くの医師は使うでしょう。
しかし、現状では使う選択肢にはなりにくいといわざるを得ないでしょう。
イベルメクチンが副作用がないわけではありません。イベルメクチンに関しては、現段階のエビデンスからは、コロナの治療や感染予防目的の有効性と安全性については不確実と結論付けられています。
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD015017.pub2/full
医師は、メリットがデメリットを上回る場合に、薬の治療や検査、ワクチンなどの予防を勧めます。イベルメクチンに関しては上記のようにそもそもメリットが確認されていない一方で、副作用として、時にアレルギー反応が起こったり、肝臓にダメージをきたしたりすることがわかっており、デメリットは明確です。
また「イベルメクチンが有効らしい」というような情報が広まると、海外から薬を個人輸入したり不正なルートで入手しようとする人が出てきてしまうのですが、その場合は特に粗悪品や偽造品にあたる可能性も高く、思いもよらない副作用が起こりえます。FDA、NIHなどの公的機関が、コロナの治療に使用しないように警告しているのはこのような背景があります。FDAはあなたは馬ではありません。あなたは牛ではありません。まじめな話です。やめてくださいとツイートした…
コロナ禍がなかなか収まらない中で、アメリカ的なおおらかさを感じるニュースですね。不謹慎と分かりつつ、笑ってしまいました。