テスラが旧来のリン酸鉄リチウムバッテリーに賭けていることは、メーカーにとって何を意味するのか
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一昨年くらいまでは三元系のNMCを低コバルト化したNMC811が主流になると予測していたリサーチ機関が多数を占めていたのが、いまやLFP回帰とは。つくづく技術予測をせずにプレーヤーから表面的なヒアリングで適当な予測をしていたと思わせます。
当時はBYDですらもLFPは半分におさえて、NMCへシフトすると言われていました。実際BYDのLFP生産量は今も半分程度のはずです。
しかしその後NMC622あたりが、特に韓国の定置用蓄電池で火災を何度も引き起こし、また欧州などでギガファクトリー建設計画が相次いだことも有り、コバルトの価格は昔に比べるとさほど高騰しなかったにも関わらず、バッテリーの無茶なコストダウン目標を掲げたことで、三元系ではいつかコストが下げ止まると判断したと推測出来ます。
またLFPは中国でしか生産していないというのは半分当たってますが、中国以外で生産出来ないという訳では有りません。
そしてLFPを改善する動きも進められています。太平洋セメントの「ナノリチア」もその1つです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ122DO0S1A210C2000000/
端から見ると子どものサッカーのようにコバルトに群がり、次はニッケルに群がり、そしてリン酸鉄へといった状況に映ります。
定置用は全樹脂電池も虎視眈々と低コストを売りに狙っていて、今秋APBは量開始産予定です。
車載用は記事にもあるように当面はNMCとLFPの棲み分けが進むと思いますが、BEVに拘らなければNi-MHという枯れたバッテリーも有ります。LFPに回帰したようにニッケル水素電池へ回帰する準備はトヨタは出来てます。その際には日本でしか量産してないと言われるんですかね。しがらみにとらわれないマスク氏を象徴するような記事です。リン酸鉄の安全性が比較的高いことも、最近リコール続きのテスラを後押ししているのでしょう。
「LFPの特許の存続期間の満了は2022年で、中国以外のバッテリーメーカーが生産の一部を鉄ベースの製品に移行し始める機は熟していることが予想されるという」
これが一番の情報かもしれないです。(仮に世界各国のメーカーの計画が実現するなら)EVでのバッテリー需要を鑑みると、LFPですら定置用は厳しく、鉛バイポーラやNaイオン電池、レドックスフロー等のリチウムを使わない電池になるんじゃないかな
>定置型貯蔵システムのほとんどが最終的にはLFP系になることは避けられない