E・マスク氏、発射台に移動する「Super Heavy」ロケットの写真を公開
コメント
注目のコメント
SpaceXお得意の,でっかいエンジンを開発するよりは既存のエンジンを束ねて使う(クラスター)という合理的な発想.エンジンの性能には個体差がある.途中で1,2個が動作不良を起こすかもしれない.それでも他がカバーできるので全体として問題ない.ロケットの姿勢制御もジンバルが要らないので原理的には容易そう.だけど,一見,問題なさそう,容易そうに見えるところが曲者.ソ連がクラスターロケットで,米国の巨大エンジンのアポロに負けたのは,当時の計算機性能では細かいエンジン制御ができなかったから.
この辺りは,ドローンを見て,ヘリコプターよりマルチコプターの方がプロペラがたくさんあるから飛ばすのが簡単そうに見えるのと似ている.実は飛行制御計算機が非力だとマルチコプターは安定させるのが難しく,ヘリコプターはメカの力を借りるとその点をカバーできる.それと同じと言えるかもしれない.
しかし,今の技術だったら,SpaceXの技術力だったらこのくらいのクラスターロケットは制御できるでしょう.
ところで,ロケット本体の外壁の金属,つまり金属1枚挟んで極低温推進剤が充填されるタンクの外壁ですが,このようにピカピカのままで打ち上げるのでしょうか.塗装したり断熱材を吹き付けない無垢のままだと推進剤の気化が速く,充填が大変そう.やー、これやばいっす。この写真、エンジニアとしてまじ萌える。
このエンジン、小さいように見えますが、ひとつで日本の次期主力ロケットH3のメインエンジンであるLE-9の1.5倍の推力があります。H3はそれが2個か3個。Super Heavyは29個!!!!
ついでにライバルとの比較も。Blue Originが作ってるBE-4エンジンは、だいたい同じ推力。ULA (ボーイングとロッキードの合弁打ち上げ会社)の新ロケットVulcanはBE-4を2個使用します。Super Heavyは29個!!!!!!!
やー、これまじバケモノです。飛び上がる姿を生で見たら、すごい迫力だろうなあ。
あと思ったこと。現在、およそ同じ大きさのロケットであるSLSの組み立ても、ケネディ宇宙センターで進んでいます。そちらは、まるで宝石を扱うように慎重に慎重にやっているので、ペースは非常にゆっくり。
一方こちらは、まるで仮設住宅を組み立てるような感覚でボンボンと組み立てています。ものすごいスピードです。同じクラスのロケットでも、設計思想だけではなく組み立てのアプローチもここまで違うのですね。多数のロケットエンジンを束ねたクラスターロケット。
かつてソ連邦のお株でした。今も活躍中のソユーズロケットもクラスターロケットですね。
https://en.wikipedia.org/wiki/Soyuz_(rocket_family)#/media/File:Soyuz_rocket_engines.jpg
ですが、Super Heavy のクラスターロケット具合はソユーズどころではなさそう。
https://twitter.com/elonmusk/status/1423041198764265473
Super Heavy打ち上げはこんな感じ。なかなか見応えがありそうです。
https://youtu.be/0qo78R_yYFA?t=41