「材料価格高騰」が企業収益を圧迫する実態、帝国データバンクが解説
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材料の価格高騰がしっかりと転嫁できていないという課題があるようです。
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仕入れ価格の高騰は企業の新たな負担材料になりつつあり、特に体力が疲弊してきている企業にとっては大きな課題になってくる可能性がある。新規感染者数の動向とともに、現在進んでいる材料価格の高騰が今後どのように推移していくかも注目する必要があるだろう。
注目のコメント
4-6月の印象を述べると、原油高や材木高に運賃の上昇が重なり、投入価格の高騰が起きています。B2Bでは一定の価格転嫁ができている気がしますが、B2Cではこれが難しい印象。非耐久消費財メーカーがシンドイ気がします。耐久消費財ではプレミア商品に強いないしプレミア商品へ販売構成シフトができる企業が堅調で、そうでないところは数量が出ずに苦労している展開。この構造はまだ継続し、耐久消費財ではセカンドハンド市場が伸びざるをえないと見ています。
資源価格そのものが上がっていることは勿論ですが、仕入単価DIのグラフを眺めると、ドル円相場の動きとよく似てる・・・ (@@;
仕入単価DIが下がり始めた2019年初から2020年の秋までドル円相場は円高傾向で、その後は円安傾向です。資源価格の上昇に円安が加われば日本が輸入に頼る材料は円ベースで値上がりするけれど、政府と国民が分けて使える所得であるGDPは増えないどころか減っていますから、国内の売値は上げられません。たとえ製品価格に転嫁できたとしても、企業の代わりに家計が苦しくなるだけです。
日本は石油も天然ガスも肥料も飼料も食料も輸入に頼っています。世界が成長する中で日本の成長が止まれば、相対的に所得の増えた国々が高い値段で資源を買い出して、所得が増えない我が国の企業と国民が苦しくなるのは必定です。企業は日本を逃げ出して稼げても、多くの家計はそうは行きません。コロナ禍による落ち込みからの回復が中、米、欧、韓国、台湾その他の国々に遅れたら、その傾向はますます強まりそう。行動制限が国民生活に与えるリスクにも目を向けて、一刻も早く経済を立て直さなければならない所以かと。 (^^;「一次産品価格(→投入価格)上昇による収益圧迫」というミクロを取り上げればその通りでしょうが、世界的な一次産品価格上昇の背景には、「世界経済回復によるグローバルな需要拡大」というマクロ要因があることが殆どです。(例えば、2008年の金融危機前のGreat moderation末期もそうでした。)
そうなると、「一次産品価格が高いがグローバル需要も強い」、「一次産品価格は安いがグローバル需要も弱い」のどちらが良いのか?を考えなければなりません。(ミクロの企業レベルの差異は別として、)仮に、日本の企業部門がこのような一次産品価格上昇による収益スクイーズの度合いが大きいということであれば、それは、日本の産業が十分な構造変化を果たしていない証左かもしれません。
(例えば、GAFAMなどのBigTech企業は、このような状況では全体では儲かるはずです。先進国型コンセプチュアライゼーション企業で一次産品の投入が少なく、一方で世界需要拡大の影響は取り込めるはずですので。)
成熟した先進国としては、やはりグローバル市場を相手にする高付加価値産業を育てていく他はなく、そうなれば、日本に根強い、対ドルでの円高恐怖症(円安よりも円高を過度に怖がる心理)も是正されていくのではないかと期待します。