海運3社、今期最高益に
日本経済新聞
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コンテナ市況が良いことでこれまでにない最高益を実現した邦船三社ですが,正直ここで安心している会社はないと思います.もともと邦船三社のコンテナ部門は赤字傾向で,「さっさと切り離せ」という声すらあったことも指摘しておいてよいと思います.しかも19年までは決して市況がよかったわけではありません.
実際,混乱収拾後の運賃急落はかなり怖いです.海運会社は今後,この状況からどうソフトランディングするかに注目しています.コンテナ輸送は差別化が難しいため,価格競争に陥りやすく,運賃が下がるときはどこまでも下がるためです.
たとえば2016年3月には上海発北欧州行きの運賃指数が205ドル/TEUを記録しましたし,日中航路では正規運賃がマイナスになることすらありました(もちろん,その他の諸費用があるのでそこから差し引くため,海運会社がもらうお金が-ではありません).
今回の利益はこれまでに毀損した自己資本の充足や,環境対策への投資に使うことになるのではないかと思っています.川崎汽船は無配が継続しますが,筆頭株主のエフィッシモが納得してくれるという考えのもとでこのような形になっているのではないでしょうか.