ファイザーとモデルナ EU向けワクチン価格上げ FT報道
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世界の医薬品の価格は、基本的に市場原理が働いています。EUに関しては、アストラゼネカ社のワクチンも供給されているものの、接種に年齢制限が付けられていることなどからファイザー社とモデルナ社の需要が多いと想定されます。そのような環境下、次回契約分については製品に競争力を有する製薬企業が価格引き上げを提案、その形で合意に至ったものであり、経済力のある国に対する普通の商交渉の結果でしょう。
欧米の場合、競争力が維持されている医薬品は、おおむね毎年値上げされています。値上げ幅は、おおむね物価上昇分を上回っており、しばしば問題視されています。一方、特許期間が切れた瞬間にジェネリックに置き換わり、オリジナル品の商品価値がなくなることも知られています。価格は、他社品との競争力や国民の経済力、保険会社との競争関係を加味して決定されています。また、人道上の理由から、発展途上国向けには、(国際社会貢献として)極めて安価な価格で提供されることがあります。
日本の健康保険では、医薬品の承認後、保険薬価収載というプロセスを経ないと保険で使うことができません。また、いったん収載した後は、毎年購入者側(政府)の考えで価格変更ができるという、世界的には異例のシステムです。(おおむね毎年値下げされます。)
日本のワクチンについては、いまのところ政府がすべてを買い上げており、薬価収載もされていません。日本にもワクチンの価格引き上げの提案があると思われますが、商談成立にならないと製薬企業は日本にワクチンの供給を行いませんので、今回の場合は、製薬企業に有利な競争環境だと思われます。需要が高まるものは値上げするのは当然のことです。
特にファイザーについては、以下にもあるようにきちっと開発をやりとげたのでさらに評価されてもいいと思います。
モデルナやJ&Jが政府から多大な援助を受ける一方で、ファイザーはトランプの助成金を受け取らず、自社資金で開発に成功しました。そのプライドと自信は今回のワクチンにも活きていて、変異株を含む最も効果のあるワクチンとされています。
そりゃあ自分の身銭を切って、きちっと開発したものが報われてほしいですよね!
ファイザーは目先期限切れとなる薬も多いですが、これからも開発力を見せてどんどん成長していってほしい企業です。
「画期的」ワクチン発表のファイザーが、トランプ資金を受け取らなかった理由 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/11/post-94964.php