自動運転タクシーは、技術革新だけで幻滅期を抜け出せるのか?
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自動運転タクシー(ロボタクシー)に関連するニュースは、資金調達・技術開発・規制対応などの「供給側」の話しか見かけず、「需要側」の話は深掘りされていないのではないかと思ったのが、本記事を書こうと思ったきっかけです。
自動運転というと、未来の夢のサービスという感じがしますが、そもそも「ある地上の2地点間を移動する」というサービスには、既存の代替手段が複数あります。自動運転タクシーがそれらを明確に上回る価値提供(価格×利便性×安全性など)が出来なければ、消費者から選択されないのではないでしょうか。
また、それを実現するビジネスモデルはどんなものでしょうか。なかでも特に気になるのは、誰が自動運転車を保有するのか、という点です。現在のライドシェアは車を所有する個人の労働時間を売買するプラットフォームですが、自動運転ではライドシェア会社が大量に車を自社保有して運営する、というビジネスモデルの大転換は、はたして現実的でしょうか。
注目のコメント
経済規模や台数を考えたときに、ロボタクシーが普及することはあっても、ロボタクシーが自動運転を先導することはない。
考えてみてほしいのだが、世の中の自動車の台数のどれくらいがタクシーだろうか?またタクシーは一般車に比べたら走行距離は長いが、それでも都市部が中心だし、世界の自動車の総走行距離のなかでの割合はそこまで高くないと思う(検証したことないし、データなさそうなので、やるとしたらフェルミ推定的な方法しかないが…)。
そのなかで研究開発での投資規模や、また実装した時の台数規模によるコストダウンを考えると、自動車メーカーや自動運転専業がやらないと賄えない。だから当然の帰結としてUberはAuroraに、Lyftはトヨタに自動運転部門を売却した。
一方、配車サービスではギグワーカー規制が強化の一方。だから、自動運転が普及すれば、その事業の不確実性を減らす観点でも、喜んで自動運転車に投資をしていくだろう。
その段階では、今はプラットフォーム型・変動費型の事業だが、自社投資の固定費型の事業になっていく。ただ、これは既存のタクシー事業者やギグワーカーから機械・資本への付加価値移転になるので、そこで再度現在のギグワーカー規制への反対のように、色々な規制論争が様々な思惑も含めて出てくるのではないかと思う。
自動運転トラックについても同様。自動運転の技術的な側面だけでなく、トラック輸送自体が巨大な産業で雇用も多い。より現実論として近づいてきたときには、トラックの業界団体と様々な論点が出てくるのではないかと思う。自動運転業界はApple参入の噂や大型資金調達・買収などのニュースで賑わっていますが、トレンドに変化も出てきているようです。ロボタクシーより産業用途。巨額投資が落ち着いて短期に投資回収するモデルに注目が集まっています。Temma Abe氏の考察記事を掲載しました。
なるほど、現実性の解釈が確かに抜けていたなと非常に勉強になる。
運転が不必要となることによる、"移動時間や空間のデザイン"によって付加価値を生める事も自動運転の価値だと思う反面、「自分で運転する」「他人に運転してもらう」という代替手段が、人々の行動様式に染みついているという観点は、ハードルになってきそう。
また、ここに自動運転×ライドシェアの構図や、テスラの様に自動運転車が余剰時間帯を自律して稼ぐ構想なんかも加えると、これを事業として行うには、ビジネスモデルの議論は結構大きなポイントだなと。