【Q&Aで理解】今話題。アメリカの「テーパリング」って何?
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「テーパリング」はもともと、経済や市場へのショックを避けたい当局が、「資産買入の縮小は引き締め(tightening)ではありませんよ。緩和は続きますよ」と説明するために導入された言葉と思います。
理論的には、「金利ゼロ制約・流動性の罠の中での非伝統緩和政策の有効性」という興味深い問題と関わります。すなわち、資産買入が緩和策として有効なら買入縮小はやはり引締め、資産買入がもともと効果が限定的なら買入縮小の影響も軽微、ということになり、市場の見方も分かれていると思います。
ただ、中央銀行は金利の引き下げ余地がない中で資産買入を「緩和」と喧伝してきたこともあり、その縮小はやはり引き締めではないかと受け止められがちです(2013年のテーパータントラムの一因でもあったと感じます)。これについては、「資産買入は流動性危機の回避には有効。危機的状況が去った後は買入縮小の影響は軽微」という、やや捻った説明が行われることが増えていますね。
政策手法的に興味深い論点として、「買入縮小、中央銀行のB/S縮小は金利引き上げの前に行うべきか」があります。中央銀行が抱える市場リスクを度外視すれば、巨大なB/Sを抱えたまま利上げをすることも理屈として不可能ではないのですが、連邦準備は一貫してまずテーパリングというスタンスであり、専門家の方々には興味深い点と思います。
注目のコメント
テーパリングで思い出すのが、テーパードパンツ。裾に行くほど細くなるというパンツです。チキンスラックスやスキニーパンツよりも動きやすい。最近はストレッチ素材もあり、チキンスラックスでも動きやすくなってはいます。
金融緩和策を徐々に引き締めていくことがテーパリング。経済にもストレッチ素材があれば、テーパリングは不要かも。
コロナワクチン接種が進み、雇用が完全回復した時がテーパリングのタイミング。この秋か、来春か、どちらでしょう。日銀の黒田総裁は、「黒田バズーカ」といったサプライズの演出で市場を刺激することを得意としていました。
しかし、金融緩和の引き締めの局面では慎重さが求められるようです。
アメリカの緩和的な金融政策は、経済を急回復させたものの、急激なインフレ懸念もでてきています。
パウエルFRB議長はどういった判断を下すのか。インフレや金融政策をめぐる現状をまとめました。