VW「ID.3」ボディーは“ほぼ鉄”でコスト減も、アルミで側突対策
コメント
選択しているユーザー
リサイクル性とコストを考えれば、鋼板利用がベストなのは間違い無い。アルミ合金のリサイクル性は必ずしも良くない。
VWは高張力鋼とレーザー溶接、構造体接着剤の利用でどんどん軽くしてますね。
例えば歴代ゴルフ日本仕様の車重を見るとよくわかります。
ゴルフ歴代車重
グレードはゴルフ5から7まではTSIコンフォートライン(4気筒)
ゴルフ8はeTSIのアクティブ(3気筒+マイルドハイブリッド)
ゴルフ5 ゴルフ6 ゴルフ7 ゴルフ8
1,390 1,290 1,240 1,310(kg)
ゴルフ5と6は同一プラットフォームながら100kgもの軽量化。
ゴルフ7はMQBプラットフォームで50kg軽量化。
ゴルフ8 は7と同じプラットフォームですが、マイルドハイブリッド他の追加で重くなってます。
超高張力鋼は塑性変形領域の引っ張り強度(耐クラッシュ性能)こそ高いですが、弾性領域のヤング率は通常鋼板と変わらない。つまり、剛性は変わらないので、軽量化するには形状やコンストラクションの工夫が必要です。
VWゴルフやポロはボディ剛性が高いクルマとして有名ですが、その構造はどんどんアップデートされてるんでしょうね。
注目のコメント
日産のリーフやTeslaも構造材へのAl合金採用は一部に留めてハイテン((超)高張力鋼板)を使ってるので、VWも同様に”ほぼ鉄”のハイテン(+Al合金)を採用し、EV構造材料のデファクトスタンダードとなった感があります。またVWでは「ハイブリッドシル」と呼ぶハイテンの中にAl合金を内包したサイドシル構造を取っているそうです。
このように全方向の衝突安全を確保するためにもEVの構造材は工夫が凝らされており、炭素繊維を使った「ストラクチャーバッテリー」が本当に採用出来るものなのかどうか、今のところ分かりかねます。
(参考)未来のバッテリーはデヴァイスや乗り物に“溶け込み”、重さはゼロになる:ストラクチャーバッテリーの最前線
https://newspicks.com/news/5617281
CATLのCell to PackやBYDのBlade Batteryも考えは似ており、如何にして空きスペースにバッテリーを搭載するかという発想です。Teslaが昨年のBattery Dayで発表したCell to Bodyも同様ですね。
またTeslaではMegaPackやPowerwall等のESSはすべてLFPバッテリーにする話もあがっており、一方で車載用バッテリーはNMCまたはハイニッケルと棲み分けがされつつあります。ちなみにApple CarはLFPを想定していると聞いたことが有りますが、車載用途へのLFPの展開は今後進むのか要注目です。
(参考)ついにテスラの太陽電池・エネルギー貯蔵事業が売上原価を超える、売上げ約882.6億円
https://newspicks.com/news/6049401