【Q&A】意外と知らない「ワクチンパスポート」15のポイント
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エストニアがどういったスタンスなのか気になります。
"エストニアは、日本の新型コロナワクチン接種証明書を認証するとしている一方で、現在、入国後の隔離や入国時のPCR検査について、ワクチン接種の有無にかかわらず不要としている。"
注目のコメント
まず、「ワクチンパスポート」といっても、
① 外国へ入国する際に隔離が免除されたりするワクチン接種済み証明
② 国内で飲食店や映画館、交通機関を利用する許可証としての接種済み証明
は分けて考える必要があります。
①は、国家間の協定によって有効になります。
②は、日本政府がそのような法律をつくるか、企業が導入することで機能します。
①は、EU加盟国間では協定が成り立ちつつありますが、世界的な基準をつくることはむずかしいでしょう。世界的な共通基準をつくろうとすると、中国などがシノバックやシノファームでも接種済みと認めるように求めるでしょうし、ロシアもスプートニク・ワクチンを接種済みに含めるように求めるでしょう。
日本が当面できそうなのは、EU、シンガポール、米国、カナダあたりと入国に際して利用できるワクチンパスポートの基準を共有することでしょう。ワクチンパスポートのブロック化が起きるでしょう。
②の国内の飲食店や交通機関利用の条件としてワクチンパスポートを設定することは、日本では法制化は難しいでしょう。フランスは法制化して義務化しましたが、かなり強い反発が起きました。フランスは、公共のためという目的であれば、強権的なことができる国です。イスラエルは②の種類のワクチンパスポートを最も早く実施できた国です。シンガポールもやるでしょう。おそらく、感染を抑えて経済活動を動かすためには、ワクチンの接種を進めてワクチンパスポートが無いと行動が制限される社会になるのが合理的なのでしょう。一部コメントさせていただきました。
なお、ニューヨークではエクセルシオールパスという形で、国内向けに接種証明書が用いられるようになったものの、ワクチン接種が一定数進んだ後に使用が広がらなくなりました。同様に、日本でもその使用は一時的なものになるかもしれません。
とにかく大切なことは、一度始めてもプランAに固執しないことです。未来が十分には予測できない中、新たなエビデンスの構築とともに、プラン変更を柔軟にできるかがポイントです。
詳細はこちらの記事のコメントをご覧ください。
https://newspicks.com/news/6044392/一歩引いて見たときに、「コロナだけで終わるのか」という論点が今後出てくるように思います。
Q.16 パスポートは今後コロナ以外でも社会で使われ始めることにならないのか
をぜひ入れたいですね。
仮にコロナが収まると、「インフルエンザにも適用しよう」とか、海外では驚異の認識が強い麻疹はどうなるなど、個別ケースが色々出てきます。
要は特定の(予防)医療行為に対する記録、それによる社会的サービスの区別・優先提供という自体が引き起こされる可能性。
その最初の事例を作ることになります。
コロナは無料で誰でも受けれますが、それ以外のものはまだ違います。
医療における貧富の差が実生活に影響を及ぼします。
本来、機密性の高かった医療記録を社会的に開示する流れを作るモメンタムとも呼べる、それがワクチンパスポートに潜在的に潜む社会リスクです。
ヨーロッパはいわゆる基本的人権に敏感であるが故に、こういう議論まで踏み込んで行なっています。
一方で、日本の導入時の論点として上記が真剣に語られているケースはほとんど見ません。
「パスポート」という名称にカモフラージュされていますが、要は「医療レコードによる人の選別」という側面、そしてコロナとその先への応用の可能性、という視点は持った上で皆がもっと考えた方が良いと思います。