【為末大】トップ選手に学ぶ、最強の「メンタル管理」術
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「閉鎖環境」の話、国際宇宙ステーションに日本人飛行士が滞在する前の時代ですが、筑波宇宙センターで「閉鎖隔離環境」の施設を取材したことを思い出しました。複数の被験者が2週間ほど暮らし、各自の言動や互いの関係作りなど、全て別室にある司令塔の監視下におかれました。将来、宇宙ステーションで作業する宇宙飛行士の適正をみる基礎データをとるためでした。
同じ頃、ロシアでは日本人を含む多国籍なメンバーで閉鎖環境実験が行われました。ここでは文化、慣習、そして言葉の壁を乗り越えて、チームビルディングが出来るかを見ていましたが、日本人被験者は途中で耐えられなくなり、脱落したことを記憶しています。
為末さんのインタビュー記事を読んで、メンタル管理においては宇宙飛行士にも似ているなと思いました。閉鎖空間、限られたメンバー、そして宇宙という逃げ場のない空間・・・トップアスリートもそうですが、まず自分自身をよく知り、相手の話を聞く力がある人たちだと感じます。
為末さんは質問に対する返し方にも触れていましたが、先日の五輪サッカー南ア戦前の吉田麻也主将の記者会見は、それを象徴する場面がありました。南ア選手にコロナ感染があり試合が危ぶまれていた頃、海外メディアは容赦なく「南アフリカの選手と濃厚接触するかもしれない。これは安心安全にプレーできる環境だと思うか」と質問をぶつけてきました。吉田選手は間髪おかず「イエス」と答え「(プレーする)イタリアでも1年間、ポジティブが出た選手は外れる形でやってきた。個人的にはまったく問題がない。ホテルでも非常にに厳しいルールで生活している。今のところ危険を感じることはない」と前向きに返しました。さらに会見の最後「今日がいちばん危険だと思う」とユーモア交え締めくくった点で、その場をイイ意味で支配したと思います。
共有項は、自分と向き合い、周りの状況も冷静に見えているヒトだと思います。五輪で結果を残したトップアスリート、試合後に掲載される人物像や努力の過程を追った記事に、強さの背景が記されていて、注目しています。
注目のコメント
自分の弱さを受け入れる、現状を受け入れることの大切さは、個人競技はもちろん団体競技でも「助け合う」ための必要条件だと感じました。信頼のある組織とは、自分の弱みを見せられるかどうかであるともいわれます。
話は変わりますが、スケートボード選手の「せっかくの舞台だから、これまでにやったことのない技を試す」という発想は驚かされました。これは世代なのか、競技から来るものなのかわかりませんが、「攻撃は最大の防御」ここに極まれりという感じです。オリンピックの試合後、選手のインタビューを聞くのが好きです。勝敗が決した後の瞬間に、各選手の思考が表現されているように感じるからです。そして、うまくいく選手には共通する「何か」があるようにも思います。その何かについて、為末さんに考察してもらいました。
多くの場合、認めたくない姿は、それまで自分がばかにしたり蔑んだりしてきたものだったりする──。為末さんのこの言葉に、とても納得しました。
確かに、自分に照らし合わせても、弱い部分を人に悟られたくないから、無意識のうちに「嫌な自分」の映し鏡として他者を攻撃してしまうことがあったかもしれません(今も弱さとしっかり向き合えているかはわかりませんが)。内省を促される、インタビューでした。「自分の弱さを認めることと、柔軟であること。この2つは、アスリートだけでなく、「うまくいく人」に共通するポイントなのでしょう。」
おっしゃる通りですね。才能に恵まれ、努力のできる人であっても、完璧な人間はいません。リーダーシップにも共通する示唆があるように思います。
リーダーシップにおいては、特に今までは『強いリーダーが全体を引っ張る』ことのみリーダー像として、強調されてきましたが、リーダーシップにも色んな形があります。
『サーバントリーダーシップ』と言う言葉もあります。メンバーのサポートをするようなリーダーのあり方です。
『共感型リーダーシップ』も注目されています。この場合、弱いことや、素直に助けてといえることは、プラスに働きます。
非常時に上にドーンと座っていてもダメな場合もあります。
前例のない非常時には前線でプレイヤーとして背中を見せることも必要でしょう。
自分の弱さを認められるのは、客観視ができていると言うこと。
柔軟であることは、変化に強いということ。
かつてダーウィンも言ったように、強いもの賢いものが生き残るのではなく、変化に対応できるものが生き残るのです。
そういえば、私たちを苦しめている新型コロナウイルスは、宿主なしでは生きられない弱い存在でありつつ、よく形を変えるRNAウイルスで、今も変異株の猛威に我々は晒されていますね…