【IPO】「ゴッドファーザー」が仕掛ける台湾版ショピファイ
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世界のリテール業界を大きく揺るがしているのがショッピファイ。SaaS型サービスでネットショッピングに関する各種サービスを展開し、急成長を続けています。その影響はもはやECにとどまらず、実店舗も含めたオンライン・オフラインの一体型管理にまで広がっています。
そして、ショッピファイよりも一足早くオンラインとオフラインの融合について、牙を研ぎ続けてきたSaaS企業があります。それが台湾の91APP。
台湾EC界のレジェンドが創業し、今年ついにIPOにこぎつけた台湾企業ですが、オンラインとオフラインを融合させる「OMO」に特化したサービスを磨き上げ、アジア版ショッピファイと言われるほどのサービスになったのだとか。
日本ではほとんど知られていない91APPの実力について、心元資本のマット・チェンさんにうかがいました。6月の上場から株価が一時3倍になった台湾のオバケ企業91APP。
カナダのShopifyっぽいローコードのECサイトですが、記事にもある通りOMO(オンラインオフの融合)に注力するなど異なる思想や戦略を持っています。
「鶏口となるも牛後となるなかれ」のような国民性を持つ台湾の方は「自社ブランドを運営したい」という意識が強く、その気持をうまく捉え自社専用のECサイトを構築できるようになっています。例えば、レーベルやロゴが入ってしまうBASEとは異なる思想で、完全にその企業のサイトに見えるところがミソです。
さらに中小企業やチェーン店をオンライン化デジタル化するため、ローコードのアプリを提供。
お店で得た顧客を会員にしECに飛ばしたり、ECで購入した商品をお店で受け取れるなどオンラインとオフラインの融合可能なソリューションを一体的に提供しています。
今後は越境ECにも力を入れ、マレーシアやシンガポール、タイなど華僑の多い地域向けに化粧品や食品を販売することを進めており事業者の越境EC支援サービスに力を入れています。
ただし、記事には「ユニコーン級企業」とありますが、台湾では「ユニコーン候補!」「ユニコーン級」と煽り気味の記事や企業のリリースが多いので、このへんは割りびいて見たほうが良いかと思います。
現状、真のユニコーンは3月に東証マザーズに上場したAIソリューションのAppierのみです。ですが、今後5年以内にあと2-3社のユニコーンは出てもおかしくないかなと思います。
以上、台湾で2年半VCをしていた者のコメントでした。マルチチャネルからオムニチャネルへ。日本でも10年以上前からいわれていた未来予想図ですが、なかなか進まない。どこかに目詰まりがあるのかもしれないです。
小さいからこその強み、わずか3日間でソリューションを開発、スピード感、目詰まりを解消するためのヒントがここにあるように思えます。