イラク首都の市場で爆発、約30人死亡 イスラム祭日の前日
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イスラーム国の犯行声明が出ましたが、彼らはイラク戦争が起きた2003年(当時はアル=カーイダの一部)からこんなことばかりイラクでやっています。
彼らの最大の標的はシーア派です。米国と戦うこととかではありません。シーア派は、多数派のスンナ派から見れば異端ですが、とりわけ絶滅するまで攻撃しようとするのが、スンナ派の中でもイスラーム国などの一部の勢力です。
イラクのアル=カーイダ、後のイスラーム国がやってきたのは、まず何よりもシーア派の無差別殺戮ですが、これはワッハーブ派と呼ばれるサウディアラビアなどにいる勢力が教えてきた教科書通りの方針で、シーア派を最大の問題とみなします。なぜかというと、異端はイスラームの教義を歪め、混乱させるからで、その存在を許せば多数のスンナ派の間でも誤りが広まりかねないから、というものです。シーア派の存在は、キリスト教徒やユダヤ教徒のような異教徒の侵略よりも害が大きいとされています。
彼らのシーア派無差別殺戮の結果、今のイラクで政府の権力を独占するシーア派政党、イランの支援を受けたシーア派武装勢力の台頭が促されました。今回爆破が起きたサドル・シティーは、首都近郊のシーア派居住地です。
こういうシーア派を狙った攻撃は、2003年から2010年くらいまでは、頻繁に起きていましたが、その後は少なくなっていました。シーア派への無差別攻撃が起きるというのは、つまりイスラーム国が勢力を回復させているということです。