【学びを科学する】子どもたちは考える「基礎」をどう身につけるのか
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今井先生からお話のあった「ICAPモデル」は、私自身の経験と照らし合わせた際にとても腹落ちしました。
タブレットを使い基礎学力を育成する教室、「フォレスタ学習道場」を例にとると、
・P→ タブレットに表示される情報をインプットする
・A→ 問題を解くことでタブレットにアウトプットする
ここまでは、当たり前の話です。
以降、実際に教室で目の当たりにした、ユニークな一場面を紹介します。
・C→ タブレットだけでは分からない問題の説明を講師から受けた小2の女の子。「わかった!」、「じゃあ、私も問題考える!」。情報の吸収が、彼女の既知と結合。これが刺激となり、新しい知識を創り出そうと動き始めました。
・I→ 2分後。「問題できた!これ、分かる?えーっと…」
1+2=0
3+6=1
7+5=0
9+8=3
「じゃあ、4+0はなーんだ」。講師は悩みます。そして、この声が聞こえた周りの生徒たちも考え始めます。
「えー、わかんない」「『いち』とか読み方に関係ある?」「なに?ヒント!」「私も問題つくってみる!」「新しい問題できた!」
生徒と講師だけでなく、生徒同士が結びつくことで新しい知識がどんどんと生まれていきます。
学習塾の環境があるから先生や生徒たちが周りに居る、だからこそIやCが自然と生まれる。
基礎学力の定着に向け、これからも「場」の重要性を意識していきたいと強く感じました。
ちなみに。この問題、わかりますか?
小2の子らしい問題ですが、私は答え(ルール)を聞いて、これを彼女が創ったことに、とてもとても感動しました!
注目のコメント
「ことば」を持たない赤ちゃんはどうやってことばを学習するのか。初等教育で勉強につまづく子どもたちは、なににつまづいているのか。考える基礎ってなんだろう? と探っていくと、学びのメカニズムが見えてきました。
対談者は、認知科学から学びや言語習得を研究している今井むつみさんと、スプリックス基礎学力研究所の梅田修平さん。
新しく経験したことや得た知識を抽象化し、過去の経験や世の中の一般常識と照らし合わせて修整していく。自分の頭で納得するまで考えて、方法や法則を発明すれば使える知識が身につくし、自身の経験とつながりや関係性がわからないまま解いていると死んだ知識になってしまう。
子どもだけでなく大人もそうやって学んでいるし、人材育成とか専門性を深める学びの「基礎」ってこういうことだなぁと思いました。人間の脳ってすごい!「子どもが考える力は、語彙力と高い相関がある」・・・これ分かる。
一番単純な語彙は名詞だと思いますが、名詞はあるモノと別のモノと区別するために使う。それはそのまま世界の分解能を意味していて、分解することで初めてモノとモノとの関係性を意識することができるようになる。そう言うことだよなぁ。
新しい言語を学ぶというのは、その言語を母語として使う人々が世界をどう切り分ける文化、つまりどうゆう分解能の文化をもっているのかを学ぶということとイコールなんだよな。- 小学1年生のクラスで硬貨の山から「52円」を選ぶ授業をしたとき、ある女の子が「17円」を出しました。「ごじゅうにえん」を「50+2」円ではなく「5+10+2」円だと誤解したからです。
この事例が印象的で、興味深いと思いました。
全く分からない子には、因果から教えければいけないし、間違った子には間違った子の理由を聞かないといけない。
これをしないでそのままにしてしまうから、後に続くことが面白くなくなってしまう。
抽象と具象を往復する訓練ができていないと、勉強そのものを楽しめないのではないかと思いました。抽象と具象を往復するとは、すなわち物語の役割だと思います。
生活のどの部分でも学習することはできるということですが、物語を味わう、想像力を磨く、五感を磨く、この三点セットを養うことこそ、子どもたちの基礎力である気がします。