独・ベルギー洪水の死者120人超に、行方不明約1300人
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大雨となったのは主にドイツのライン川から西側の地域で、ラインラントと呼ばれる地方です。西ドイツの首都であったボンもこのエリアにあります。
現地時間の14日から15日にかけて特に強い雨が降り続いたとのことで、報道によればケルンでは24時間で154mmの雨量となったとのことです。日本の感覚からすると大雨でもないように感じますが、現地では7月の月平均雨量が87mmとのことですので、一ヶ月の雨量の2倍近い雨が一日で降ってしまったことになります。日本で近いイメージの大雨となったのは、例えば2019年の台風19号(東日本台風)のときに各地で洪水が発生しましたが、あの時もおよそ一ヶ月の雨量の2倍程度の雨が一日で降っていました。
今回の大雨の原因は上空の寒気(専門的には寒冷渦といいます)が居座り、低気圧が移動するのではなく同じ場所に停滞するような形になり、湿った暖かい空気がアルプスの東側を回り込んでドイツ西部に達し、雨が降り続けたためです。日本でも上空の寒気により不安定な天気となり、各地で雷雨が発生しやすい状況がありましたが、上空の寒気が悪さをしているという意味では同じような状況と言えます。
かくも特殊な状況により発生した災害なので、地球温暖化と直ちに結びつけることはできませんが、これも今後イベントアトリビューションなどの手法により、温暖化前ならば稀であった現象が、温暖化によりそこまで稀ではなくなっているということになるのかもしれません。欧州北部で街が飲み込まれるような洪水はみたことがありません。「100年に1度」とも報じられています。秋に控えるドイツ総選挙では気候変動対策が大きな争点の一つになるとみられています。今回の災害はより急進的な気候政策を求める「緑」の支持率に影響するかもしれません。
下記の記事が指摘するように、日本と同様、欧州でも近年の都市開発が水害の危険を高めているとのことだ。
https://www.europe1.fr/societe/inondations-parmi-les-causes-lurbanisation-doit-faire-lobjet-dune-reflexion-profonde-4058127