【渦中】人権問題への対応迫られるユニクロが、語ったこと
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中国とのビジネスで利益をあげている企業は、中国政府の主張など、中国とのビジネスを続けるために自分にとって都合の良い説明を信じがちです。本当に信じているかどうかは分かりませんが、少なくとも信じたいのでしょう。
米国は、欧州を米国の対中政策に巻き込むために人権問題を用いているという側面はあるでしょう。ナチスが残した傷がまだ生々しい欧州では、特に当事者であったドイツを始め、各国は人権侵害に対して厳しい態度をとらざるを得ないからです。しかし、欧州はただ米国に巻き込まれているだけではありません。
以前、中国で勤務していた頃、コモンウェルズと呼ばれる英連邦のある国の武官と話をしていた時、中国の人権問題に関する話題になりました。その際、「中国は人権問題でなく治安の問題として捉えている」と言うと、彼は激怒し「お前たちは実際に何が行われているか見ていないからそんな悠長なことを言っていられるのだ」と怒鳴りました。その時、少なくとも英連邦や米国の人権侵害に対する怒りと嫌悪感は本物だと感じました。
日本は欧米各国に比較して情報収集能力に劣りますから、得られる情報も言語によるものが主になります。欧米各国が実際に目の当たりにしているのとは異なり、自分に都合の良い主張だけを信じやすい状況を作り出しているかもしれません。
それでも日本は、欧米各国の人権侵害に対する怒りや反感が本物であるという側面は理解しておかなければ、欧米各国から批判され軽蔑されることになりかねません。
注目のコメント
日本が世界のなかでもいかに人権意識が低いのか、あらためてよくわかる記事でした。「何が問題なのかわからない」「素材の産地のことまではわからない」と言っているかぎり、永久に日本は人権後進国でしょう。
「文化の盗用」問題も根は同じです。「盗用」する側がされる側を尊重しないからトラブルが起きる。起きても「何が問題なのかわからない」「そんなつもりではなかった」という釈明が出てきてしまう。
このあたりの意識が日本全体で高くならなければ、ジェンダーギャップの問題も解決しないのでは。日本企業は、欧米のグローバル企業のように、人権系の国際NGOなど市民社会による監視にさらされてこなかったので、人権問題によるビジネスインパクトへの意識が高くないように感じます。
人権対応は企業にとってコストでしょうが、面倒事と捉えて最低限の対応をしていると、じきにグローバル市場からはじき出されるでしょう。環境分野でも同じです。CSV戦略として捉えて競争力強化につなげてほしいです。
「槍玉にあげられた」形ではありますが、その意味で、世界のファストリの腕の見せ所ではないでしょうか。がんばれユニクロ!記事中でもコメントしましたが、ファーストリテイリングはこれまで人権デューディリジェンスは実施しており、NGOからの評価も高かった「優等生」とされてきました。
にも拘らずこれだけ問題視されるようになったのは、やはりファストファッションの代表としての糾弾という意味合いもあると思います。
この問題から明らかになってきたのは、これまでの人権デューディリジェンスのやり方だけでは人権リスクを把握・対応しきれないという事実です。
テクノロジーの力も使いながら「人権デューディリジェンス2.0」を国際的に検討するステージになってきたと言えます。