「求人メディア」の情報 雇用対策に活用を 厚労省の研究会
コメント
選択しているユーザー
求人メディアを実際に運営している立場としては、きちんとした規制を明確に打ち出してくれることは、良い面もあります。
求人企業側のリテラシーの低い業界において特に問題になるのですが、
企業がお金を出すため、広告代理店が強く言えないこと、
内容が本当かどうか?は企業しか知らないことなどから、
不明確・事実と違う・誇大広告など、問題のある広告が散見されます。
媒体側の対策としては、職業安定法などの虚偽による誘因はダメ、などを盾に改善を図ってはいるのですが、
立ち入り検査などが出来るわけでもなく、上記のような企業と代理店のタッグで来られるとなかなか対策が浸透しない、というのが現状です。
こういった努力をしない他の媒体で、虚偽の有利な条件で応募者が行くと、そちらを高く評価されてしまうという、「悪貨が良貨を駆逐する状態になる」ジレンマも存在します。
代理店と企業の意識を変えることが出来れば、
求職者の不利益を減らすことができますし、
媒体間においても最低限のルールの下で、公正な競争をすることができるようになりますので、
そういった規制が明確に打ち出されることを期待します。
注目のコメント
求人メディアの難しさは、あくまで「メディア」であり、出来るだけ多くの人が利用してくれることが目的であるため、SEO対策や見栄え(求人数等) というところに意識がいくところがあるか思います。また採用市場は情報の非対称性が、求人企業と求職者の間のみならず求人企業と掲載するメディア企業の間でも存在しています。そのため情報のクオリティ管理という面において、求人メディアは難しさがあるのではないでしょうか。
例えば、私自身も自社の採用で求人メディアを利用したことがありますが、一つの募集職種に対して、SEO対策としてアピールポイントや説明文を変えて複数の求人として掲載するように求人メディア側からアドバイスされました。また私たちが採用支援をするベンチャー企業も、求人メディア媒体に「あまり積極的に募集しているわけではないけど、とりあえずいい人がいれば」といった曖昧な案件を、企業PRの一環として出していることもよく見受けられます。
求人メディアの適切な在り方は何か、これからの研究会での議論からどんな答えを出していくのか注目しています。長々と書かれていますが、おそらく、求人メディアへの規制強化の流れとなるのでしょう。
現状では、求人企業等(=「労働者の募集を行う者」)には、労働条件の明示義務が課されています(職安法第5条の3)。これは、求人広告によるものも含まれます。
この規制対象となる当事者には、求人メディア(≒職安法でいう「募集情報等提供事業を行う者」)は含まれていません。
現行の職安法では、求人企業側が求人メディアに対し、「必要な協力を求める」努力義務と、求人メディアによる「必要な協力を行う」努力義務があるだけです(職安法第42条)。
おそらく、何らかの形で、この努力義務の規制を強化するのではないでしょうか。また、記事中にもあるとおり、求人メディアには「国の許可や届け出」は必要ないため、届け出や登録等の義務が課される可能性もあります。
…さて。
本件ですが、もしかしたら、リクナビの件が尾を引いているのかもしれません。
あの件では、現行の職安法では、リクナビ=求人メディアに法規制が及ばないにもかかわらず、厚労省(東京労働局)が、リクナビを「職業紹介事業」と無理やり解釈して行政指導をしていました(※)。
確かに、求人メディアに関するトラブルに対応するために法規制を検討することは結構ですが、他方で、自身の過去の行政指導のあり方について、ろくに検証もせずに権限を強化するのはどうかと思います。
まさか、自分たちの失敗を糊塗するために規制を上書きするのではないと思いたいですが…
※ https://newspicks.com/news/5973049