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私の場合私立高校勤務を年度末で辞めたその年が更新年だったのです。放送大学で更新講習を受けました。
1番仕事への負担度が軽度であると勤務していた高校の先生から勧められました。
その申し込み用紙を見て当時驚きました。
現職教員は全く問題ないのですが、①現職教員以外ですと、②教員採用内定者(任用または雇用予定の者の証明)③教育職員となることが見込まれる者(任用または雇用する可能性がある者の証明)④教員経験者( 任用または雇用していた者の証明 勤務校所管教育委員会,学校法人の長等)残りは保育士向けの選択肢でした。
①〜④以外の人は申し込めません。
これを新卒で入った会社勤務時代知りませんでした。
そこで初めて私教員やってなかったらこのタイミングで失効する可能性が高かったんだと知りました。
確かに、更新のタイミングって大学を高校卒業してすぐ入った方であっても30代前半で訪れてその段階で一度も免許を使っていない人が教員に再度なるってなかなかないケースかもしれません。
しかし、多様性の時代に向かう中で本当にそれでいいの?と思ったりしました。中途採用で入る世界ではなかったと感じた理由にもつながる気がしました。
例えば失効した免許の人を雇う学校があって②や③で申し込めるのでは?と思う方もいるかもしれませんが免許はそのタイミングで講習を受ければ付与されるそうですが、そんな人学校側は採用しますか?失効していない人を当たり前ですが求めるでしょう。
私の場合は辞めてすぐの申し込み期間だったため、④で申請するべく勤務した学校に更新申し込みの紙を持っていって教員であった証明を書いてもらうことができ、無事更新できました。
世論を見ていると教員免許を保持されていない方はこれに反対のケースも多そうな気もするし、現役の先生もその傾向があると感じました。
しかし、これだけ離職している者のハードルを上げてしまうことは他の免許ではなかなか無いのでは?と感じた次第です。
教員免許を取得を目指す学生が減る原因にもなりますし、教員不足の懸念もあります。
教員の質の問題や自己研鑽を重ねる場が失われた問題があることは把握していますが、そちらの本来の姿としては更新制度がなくても自己研鑽できる体制を構築することがあるべき姿な気がしています。
最も大きな弊害は、教育業界に人が集まらなくなるということだと思います。
免許更新ができてから、非常勤講師の確保が難しくなりました。
大学の時に免許はとったけれど別の職についていた、という方が非常勤や社会人枠で採用される際に、採用予定の約1年前に申し込む必要のある更新制度にうまく乗れるとは思えません。
結果として、民間を経験した優秀な人材は、教育業界に集まらなくなります。
ちなみに、教員の「研修制度」はまた別にあります。
知識の更新が必要、というのはわからなくもないですが、「来年もこの仕事を続けたければ、自分で3万〜5万払って外部の講習を受けてきてくれ」というのは違う気がします。
法定研修を増やせばいいだけではないでしょうか。
夏休みは、部活に夏期講習に進路指導に、と基本的には仕事が詰まっているもので、意欲のある学校、教員ほど忙しく、そこに5日間の免許更新がぶつかってくれば、生徒指導への影響はさけられません。
ちなみに私は、現状維持をするためだけに自費と時間を負担させられる「更新」という制度自体が嫌だったので、
通信制大学に通って新たに情報の免許を取得しました。
結果として、25万の費用と何倍もの業務外の時間がかかりましたが、満足しています。
追記
山谷さんのコメントで理解しましたが、そもそも別の職についた方は講習の対象外なんですね。採用予定となってはじめて受けれるとは。民間経験者を、としばしば言われるにも関わらず、ここまで参入を阻む制度だったことに驚いています。
以下、教員免許更新制度の目的から考えていきます。
(文科省HP: https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/koushin/08051422/002.htm)
①"教員免許更新制は、その時々で教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、"
生徒の前で知識を教授するのは誰でもできます。そもそも、最新の知識技能とは、現場以外で生み出されますか?大学で寝ている学生も起こさず淡々と喋り続ける大学教授に、教育現場の何がわかりますか?授業するだけが教員じゃない。
柔軟な思考力や判断力、マネジメントスキルに基礎的な事務系の能力、心理系の分析能力に加えて幅広い学力層の生徒とのコミュニケーション能力。ひとりひとりを理解した叱咤激励に悩み相談。
これらの能力を同時に身につけるだけでなく、保護者や他の教員といった大人と、必要のないコミュニケーションを取る必要もあります。
もちろん、ホームルームで取り上げるために最新のニュースや新聞を読む時間も確保。
常に、時間との戦いです。
教員の仕事をビジネスマンに置き換えてみると一目瞭然です。
朝新聞をチェックし、昼間に重要なプレゼンが50分×6個、その合間に書類作成をしながら自分の子どもと会話し遊びます。それらをこなし、時にはクレーム対応や、社内のイベント運営もします。
週5日続けて行い、土日は毎週必ずゴルフに出かけます。行かないという選択肢はないです。クライアントがいますから。土日は無給。手取り25万以下です(5年目)。
私の場合これが最高205日連続。いくら素晴らしい職でも普通に真面目にこなしていれば頭おかしくなります。
「民間を経験してみろ」と言うバカがいますが、民間のが楽ですね普通に。
準備の時間と睡眠時間が充分でないプレゼン続けたら、自信と誇りを持って人前に立つことなんてできませんよ。
②"社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。 "
そんなもの、どうでもいい。
生徒からの信頼を得られればいいです。
更新制度に時間をかけ学校内の仕事が疎かになり生徒の信頼を失うなんて本末転倒。
免許更新より、制度や待遇の方針更新こそ、いち早く求められることではないでしょうか。時間は有限です。
まさに中教審で議論してる内容が先んじてメディアにこのようなカタチで世の中に出ることが信じられない。
中教審では廃止の議論は進んでおらず、抜本的な改革案を議論していた。信じられない。
追記:
デマ記事でしたね。
大臣発言「「教員免許更新制の廃止を文部科学省が固めたという趣旨の記事が掲載されたことは承知しておりますが、教員免許更新制については、本年3月12日に、中央教育審議会に対して、必要な教師数の確保とその資質能力の確保が両立できるよう、何等かの前提を置くことのない抜本的な検討を行っていただくよう諮問させていただき、現在まさに委員の皆さまに真剣なご議論をいただいている途上でございまして、方向性について結論を導き出すというか、そういうところには現在至っていないと承知しております。文部科学省としては、中央教育審議会での議論をしっかりと見守りつつ、スピード感をもって制度改革を進めていくことを考えており、現段階で教員免許更新制の廃止を固めたという事実はありません。」
中教審で、今まさにどうやって制度をアップデートできるか議論しているところです
・教員が忙しい中でいつでも簡単に受講できるオンライン研修システム
・質の高い研修を受けて頂けるように人気講座のオンデマンド化
・時間的、費用的コストを軽減できる仕組の実現
意味のない、形だけの免許更新が問題なのであって、教師が学び続けることが無駄だと言ってるわけではないということです。
みんなが教員免許更新制度に期待している目的は
①問題教員を排除したい
②教員にスキルアップをさせたい
下の記事によると、問題教員の排除にはつながっていない。
https://imidas.jp/jijikaitai/f-40-053-09-04-g248
今の制度は「①問題教員の排除」をそもそも目的に制度設計されていない。そうすると「②の教員のスキルアップ」につながるか、それに適した仕組みになっているのか、その目的に社会全体で払うコストとマッチしているのかという点だけが論点だと思います。
↓7月5日に文科省が教員免許更新制度について議論する教員免許更新制小委員会で公開した教員へのアンケート結果です。
https://www.mext.go.jp/content/20210708-mxt_kyoikujinzai02-000016721_03.pdf
これを見ると、「受講した講習は、最新の知識・技能を修得できる内容であったか」への答えはYes50%、No45%で講習の質はバラバラなのかも。教育現場で役立っているにYesは3割。
板書だけして書き写させる駄目教師は私も生徒として体験したので、能力アップは必須だし、そのための代わりの方策はキチンと考えて頂きたいですが、今の制度はなくても良いと思います。
追記:なるほど、教員の方のコメント欄を見て内情がわかりました。現場では色々な混乱があったのですね。
現場の声から大きな制度変革が実現しそうです。
なお、更新制を廃止しても、そもそも研修内容がイマイチである問題や、教員のリスキリング機会づくり、問題のある教員への対処など、より本質的な問題は残ります。
更新制廃止と同時に、それらの問題への対応もセットで考えることが必須です。