英最大の半導体メーカー、中国系企業が買収、技術流出に懸念
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中国はこれまで自国の半導体を強化しようと、あれこれいろんな手を使って買収を試みてきました。今回は、この手があったか、という感じです。というのは中国の聞泰科技という半導体メーカーは、まずオランダのNXP SemiconductorからスピンオフしたNexperia社を買収し、そのNexperia社が英国のファウンドリ企業のNewport Wafer Fab社を買ったものです。できるだけ中国名を出さないようにしてうまく買収しようという意図が見えます。
Nexperia社はトランジスタやダイオードといった単体の半導体の会社なので、競争力はなく、NXPは邪魔者扱いしてスピンオフさせたようです。大事な製品はNXP本体がしっかりと囲い込んでいますから。しかし単体のトランジスタでは中国内でさえ戦えませんので、今回は半導体不足に乗じてファウンドリを買い、ポートフォリオを揃えようとしたと見ています。
中国の若者は、大学卒業後、手軽に儲けられる仕事としてインターネットサービス業を選ぶ傾向が強く、半導体産業にはいきません。このため人集めの手段として企業丸ごと買うという手を使いました、それもNexperiを隠れ蓑として。なかなかしたたかですよ。日本でも半導体を強くするなら、このくらいのことをすべきです。現時点での英政府の態度は、「政府が介入するのは適切ではない」というものだ。内外から疑問が呈されているのは、この英政府の態度だ。つまり、一方で、中国に対する不信から5GネットワークからHuaweiを除外することを決めているのに、今回はなぜ全く不介入なのか?という点である。