印ペイティーエム、2400億円IPO計画承認で12日株主投票-関係者
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偶然か邪推か、最近のIPOネタはSVF関連がやたらと多いですね。それだけ手広くカバーしている証拠ではあるのですが。
インドで2016年11月に旧高額紙幣廃止が突如始まった時は、新聞広告も出稿して一気にインドのキャッシュレス市場を開拓しましたが、約5年後のいまは競合にシェアを奪われ、厳しい状況だと聞きます。
PayTMとしてはIPOによる資金調達でスーパーアプリ強化を目指す狙いがあるでしょうか。
以前、弊社インタビューでPayPay広報室長の方に教えていただいたのですが、 PayTMが技術提供を行なっているPayPayは、開発面でPayTMのラボに支援を受けているようです。
"プロダクトの開発は、3拠点開発体制を敷いています。Paytmのラボはインドとカナダにあるんです。例えば時差を活かして、東京で途中まで作ったものを、インドに渡し、インドで作ったものをカナダに連携、最後は東京で仕上げる、という感じで開発は常に動き続けるようにしています。"
参考:「PayPayは毎週進化する」
https://www.ncblibrary.com/posts/19372
たしかに、PayPayのUI/UX(特にアイコン群)はPayTMとウリ2つなんですよね。
注目のコメント
PayTMがIPO準備に入ったとのこと。PayTMはインドの大手金融サービスで、傘下にモバイルペイメント、保険、投資、銀行、eコマース等の総合的なサービスを抱えています。ユーザは、350 millionを超えておりコンシューマ向けの金融事業会社としてグローバルでもトップクラスの規模を誇ります。
AntGroupが筆頭株主であり、資本関係だけではなくプロダクト面での関係性も深く、PayTMのローンチに際してはAntが技術支援を行いました。その後、PayTMが日本のコード決済サービスであるPayPayに対して技術提供を行った事は広く知られています。
親会社であるOne97Communicationsの評価額は、年々急拡大しています。
2015 : 40億米ドル
2017 : 80億米ドル
2018 : 100億米ドル
2021 : 240-300億米ドル
主な株主構成は以下の通り。
Alibaba's Ant Group (29.71 per cent)
Softbank Vision Fund (19.63 per cent)
Saif Partners (18.56 per cent)
Vijay Shekhar Sharma (14.67 per cent)
さて、インドの高額紙幣廃止政策の波に乗り急激に規模を拡大したPayTMですが、2016年の小口決済インフラUPI(統合決済インターフェース)のローンチによって、モバイルペイメント市場に様々な企業が参入し、PayTMも熾烈なシェア争いに巻き込まれる事になりました。
2021年現在、UPIが発表した5月のシェアを見ると、1位はウォールマート傘下のPhonePeが45.27%、2位がGooglePayで34.67%、3位がPayTMで11.44%という順位になっています。4位がAmazonPayで2.29%と差がありますが、米系企業の強さが目立ちます。
この数字を見ると、インド政府としては、自国サービスであるPayTMに肩入れをしても良さそうに見えますが、筆頭株主がAntであることをインド政府はあまり良く思っていません。インド政府内ではAntにPaytmの持ち株を売却させようという議論がありました。
華々しい拡大の背景に、厳しい競争環境があるため、IPOを急いでいる可能性もあります。Paytmの創業者は、アリペイを研究するために何度も中国の杭州を訪れ、ジャック・マーにも直談判。市場が競合しないからだけでなく、熱意にほだされ多くの支援や知見共有につながった。
人としてもビジェイ・シャルマは魅力的で、何よりも受けた恩は忘れない。アント関連のイベントには喜んで登壇するし、筆頭株主の座も中国企業とわかっていて投資を受けてきた。このような偏見や建前を一旦横に置き、事業に邁進する創業者が率いる集団は強い。まだまだ成長し続けるだろう。